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薬院法律事務所

「匂い痴漢」と迷惑行為防止条例

2018年11月20日ニュース

インターネットで匂い痴漢に対する弁護士の解説を見かけましたが、これは正確な説明ではないです。

『では”匂い痴漢”はどのように防げばいいのか。痴漢問題に詳しい銀座ウィザード法律事務所の小野智彦弁護士によると、匂いを嗅いだ痴漢は迷惑防止条例のひとつに当てはまり、6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金になるというが、「法律では痴漢の定義がないため、匂いを嗅ぐという行為で痴漢と判断するのは至難の業」だという。そのため、対策については「基本的には逃げるしかない」「周りの人に助けを求める」としている。』

正確には、各都道府県の迷惑行為防止条例には、匂いを嗅ぐことをそのものを規制する条文はないので、あとは「卑わいな言動」に該当するかどうかという問題です。

最三小決平成20年11月10日(平成19年(あ)第1961号)刑集62巻10号2853頁は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和40 年北海道条例第34 号)2 条の2 第1 項4 号の「卑わいな言動」とは,社会通念上,性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいうと解され,同条1 項柱書きの「公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し,正当な理由がないのに,著しくしゅう恥させ,又は不安を覚えさせるような」と相まって,日常用語としてこれを合理的に解釈することが可能」と判示していますので、「痴漢」の定義がないから判断出来ないというわけではないです。むしろ、匂いを嗅ぐだけでは、性的道義観念に反する下品でみだらな動作というのが難しいから、条例違反として立件出来ないのだと思います。つきまといとか、下品な声かけと併せて「卑わいな言動」にあたる事例があり得るということになるでしょう。

 

https://www.huffingtonpost.jp/2018/11/14/nioi-chikan_a_23589809/?ncid=other_facebook_eucluwzme5k&utm_campaign=share_facebook