load

薬院法律事務所

「実務刑事判例評釈 福岡高判平成29年9月22日」法務省刑事局付検事 見市香織 警察公論2018年4月号

2018年07月20日読書メモ

警察公論2018年4月号読書メモ。
これは刑事弁護人よりも、不貞事件を多く取り扱う弁護士の先生が押さえておくべき裁判例だと思います。

「実務刑事判例評釈 福岡高判平成29年9月22日」法務省刑事局付検事 見市香織

「ストーカー行為につき,①別居中の妻及びその交際相手に対す るストーカー行為については,不貞調査としての目的の範囲内 の行為であれば,恋愛や怨恨の感情を伴っていても,ストーカ ー行為等の規制等に関する法律2条1項の目的が認められない とした第一審判決の判断は是認できないとし,②上記妻及びそ の交際相手の自動車にGPS機器を取り付け,また,その住居等 付近をビデオカメラで撮影した行為は,同法2条1項1号の「見 張り」に該当すると判断した事例 (公刊物未登載)」

別居中の妻及びその交際相手に対して、自動車にGPSをつけたり、住居付近にビデオカメラを設置等した事例です。一審の熊本地裁では一部につき無罪判決が出たのですが、高裁で覆されています。

第一審は、 「少なくとも、不貞調査として 目的の範囲内の行為については、恋愛怨恨感情を伴っていても、恋愛怨恨感情を充足することを目的とする行為には当たらないと解するべきである。」としましたが、
高裁は「行為者が、対象者に対して、ストーカー規制法に該当する態様で、不貞行為の調査をしたり、不貞関係解消を働きかけたり、慰謝料請求をしたりする行動に出た場合、行為者は、正当行為として違法性が 阻却されるような特殊な事情がある場合は格別、ストーカー規制法による 処罰を免れないというべきである。不貞調査として目的の範囲内の行為については、恋愛や怨恨の感情を伴っていても、 2条の目的は認められないとする原判決の判断は是認できない。」

下手な調査をして依頼者がストーカーで逮捕されたら大変ですからね・・・

判例秘書に収録されたようです。警察公論2018年8月号付録の平成30年版警察実務重要判例に記載がありました。
福岡高裁平成29年9月22日
LLI/DB判例秘書 L07220462 です。

http://tachibanashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=3442