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薬院法律事務所

『私の愛すべき依頼者たち 10のエピソード』

2018年07月20日弁護士業・雑感

とある街弁の日常風景、といった感じで面白いです。
渉外事務所に勤務した後、北海道で一人事務所を経営し、その後東京で弁護士をしているという異色の経歴をもつ女性弁護士です。
率直な感覚が記されていて、一般の方より弁護士が読んだ方が面白いんじゃないかと思います。

面白かったので、それぞれのエピソードについてヒトコト感想を。
既に本を読んだ人向けです。
1話目の裏DVD頒布の青年、私だったら「実際には社会貢献かも知れないけど、日本じゃ違法だからね。というか、勝手にDVDを複製したことの方が私としては悪いと思う」。といった話を言うと思います。
2話目のストーカー、基本的に受けません。ここにあるように認知の歪みが強い人が多いからです。本人が本当に反省出来ているかどうかで受けるかどうかを判断しています。結果が良く、逆恨みされずに良かったなあと思います。
3話目、ネコちゃん事件。被告人の部屋には入りません。
4話目、刑事弁護と関係ない男女トラブルには関わりません。あと、実刑1年って軽すぎ。
5話目、粘り強い示談交渉。私なら最初の時点で諦めていますし、両親から示談金を出させることはしません。出す筋合ではないと思うからです。実刑はむしろ良かったと思います。
6話目、高齢者の財産管理、息子さんがいて良かったです。そういう人がいない事件は本当に大変です。
7話目、離婚事件では、弁護士までいれて争うよりも、別の人生を歩んだ方が良いのでは、と思うことがあります。
8話目、不貞事件で相手方のみに慰謝料請求をするというのは好きでないです。特に、相手方の家庭を巻き込むことを匂わせて金を請求するやり口は大嫌いです。
9話目、弁護士が入らない方が交渉が上手くいくということはありますね。特に、法的には根拠のないことを話し合いで求めていく場合。変に関わると、失敗した責任まで追及される危険まであります。ただ、知らない事件ほど頑張って飛び込んでいくべき、というのは全くの同意見です。
10話目、スゴイ、の一言。交渉で解決するのは危険だと大半の弁護士は尻込みすると思います。

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