【解決事例】大麻取締法違反事件で求刑から減刑した上での執行猶予判決
2021年06月11日解決事例
[相談前]
自動車を運転中、職務質問で大麻約3.5グラムが発見されたことから現行犯逮捕されました。
前科はありませんが、長期間にわたって使用していた事例でした。
[相談後]
所持量からすれば、求刑としては懲役8月が考えられます(第一東京弁護士会編『量刑調査報告集Ⅴ』(第一東弁,2018年3月)132頁~)。
しかし、検察は、被告人の常習性と、運転中に使用していたことを重視して、懲役10月を求刑してきました。
判決文においては、【もっとも、被告人が本件犯行について反省し、大麻に関する知見を得て認識を改め、
今後は二度と違法薬物を使用しないと誓っていること】が考慮され、懲役10月の求刑だったところ、懲役6月執行猶予3年となりました。
[鐘ケ江 啓司弁護士からのコメント]
執行猶予がつく場合、求刑からは減刑せずに執行猶予となるのが慣例です。
しかし、適切な情状弁護を行った結果、懲役6月まで減刑された上で、執行猶予が付されました。
大麻の毒性については様々な議論があるところですが、弁護人としては現行法を前提に情状弁護を尽くすことになります。
また、所持が違法とされている物品をあえて購入してしまうこと自体に、本人の抱える問題が隠れていることがあります。
そこを見据えつつ、本人と周囲の人間との関係性を回復させることが大事だと思っています。