【解決事例】窃盗共犯事件、完全黙秘により不起訴処分
2021年06月14日解決事例
[相談前]
住居侵入窃盗について、共謀に参加していたとして逮捕されました。
接見禁止処分も付されて家族にも会えない状況でした。
[相談後]
事実を確認した上で、速やかに接見禁止処分に対する準抗告を申立てました。
その結果、家族に対しては接見禁止が解除されました。
本人に黙秘権行使の意義、有用性を十分に説明し、励ましました。
無事に勾留延長満期で釈放され、不起訴処分となりました。
[鐘ケ江啓司弁護士からのコメント]
共犯事件については、引っ張り込みの危険性ということが言われます。
自分の罪を軽くするために無関係の第三者を共犯者として引っ張り込むというものです。
こういった場合、引っ張り込まれた側の心情としては、否認して警察にわかってもらおうとしがちです。
しかし、外部との連絡も絶たれている状況では、間違った説明をする危険性は高いです。
そうすると、客観的事実と食い違いがあった場合に、検察官に「嘘をついている」と誤解されて起訴されたり、
裁判においても裁判官に「嘘をついている」と誤解されて有罪判決を受けることがあります。
そういった場合、シンプルに「無関係」と否認した上で完全黙秘をすることが有効なことはしばしばあります。
もちろん例外もあり、例えば客観的証拠からは一見共謀しているとみられるような場合は、
それが共謀の証拠ではないことを積極的に弁明して、疑いを晴らすということもあります。
この黙秘権を行使するか、どう行使するか、そしてそれを依頼者に納得してもらうかということは、
その時々の状況に応じた判断が必要になります。
この事件では、客観的証拠がなく、共犯者とされる者たちの供述によることが予想されたので、
完全黙秘の方針をとるべきと説得し、奏功しました。