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薬院法律事務所

企業法務

労働判例1301号感想


2019年07月14日読書メモ

労働判例の最新号面白いです。

冒頭は、外科医師に対する配転命令と診療禁止命令の可否です。結論としてはどちらも無効とされたのですが、一般に就労請求権が認められないとすることとの関係が気になります。

学校法人文際学園事件では、就業規則の複写禁止規定が問題になっています。従業員にしか閲覧させないというのはともかく、筆写しか認めないという取り扱いはどうかと思いますが、「就業規則を重要な文書と位置付け,情報管理を十全化するため」と使用者の裁量としています。この事案は団体交渉もされているのですが、閲覧のみとしています。近時、労働組合に突っ込まれないように就業規則をなるべく開示しないというやり方もあるようです。そういう手法にお墨付きを与える裁判例になりそうです。

横浜A皮膚科経営者事件では、懲戒解雇と有給取得妨害を理由とする損害賠償請求に対して、病院側が暴行、預り金返還請求、有給休暇定休の不正取得を理由とする賠償請求をしたところ、病院側の不当訴訟と認められた事件です。