強制性交等の法定刑の引き上げと、量刑傾向
2018年07月20日読書メモ
奥村先生のサイトにあるように、通達では強制性交等の罪の下限が5年に引き上げられたことを「強姦罪の法定刑の下限は低きに失しており,国民意識と大きく異なっていると言わざるを得ない」とだけ記載しているのですが、
警察学論集70巻10号の岡田志乃布(前法務省刑事局付最高検察庁事務取扱検事)「刑法の一部を改正する法律について」71頁では「本法による強制性交等罪の法定刑の下限の引上げは、改正前の強姦罪に対する社会的評価を適切に反映させようとしたものであって、必ずしも、個々の事案における量刑が軽すぎて不当であったことを前提とするものではない。」としており、
警察公論2017年11月号の法務省刑事局付今井將人「刑法の一部を改正する法律の概要(上)」15頁でも「今回の改正は、強姦罪に対する社会の評価を適切に法定刑に反映させようとするものであり、必ずしも、改正前の強姦罪の量刑が軽きに失して不当であるという認識を前提とするものではないが」としています。
捜査研究2017年10月号法務省刑事局付堀田さつき「刑法の一部を改正する法律の概要について」6頁でも「必ずしも、個々の事案における量刑が軽すぎて不当であったことを前提とするものではない」とされています。
情状弁護をする時に役に立つかもしれません。