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薬院法律事務所

刑事弁護

強制捜査(捜索差押)がされても、送検されない場合があります


2021年02月14日読書メモ

刑事訴訟法246条は次のとおり定めています。

第二百四十六条 司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。

従って、強制捜査にあたる捜索差押がなされた場合、検察官に記録を送る、、、はずですが、実は警察実務では警察限りとして、送検されないことがあります。これは大コンメンタール刑事訴訟法にも載っていませんし、弁護士をはじめとする法曹にもあまり知られていない警察独自の取り扱いです。

理屈としては、この規定は、捜査活動によって犯罪であることが明らかになった場合に送検すべきという趣旨なので、嫌疑がはれた場合には「犯罪」の捜査はしていなかったというもののようです。

もっとも、私の調べた限りではこの理屈を支持する裁判例や学術書は見当たりません。

この理屈は現在においては警察庁において適当なものではないとされる一方で、すべて送致するかについては実務上の問題があることから見解が留保されています。(刑事法令研究会編『新版第2訂 逐条解説犯罪捜査規範』(東京法令出版,2002年3月)447頁~,※刑事法令研究会編『全訂版 逐条解説犯罪捜査規範』(東京法令出版,2013年7月)506頁~)。

画像は福岡県警察本部刑事部刑事総務課法令研究会『警察官のための捜査実務質疑応答集〔全訂版〕』(東京法令出版,2010年3月)からです。

福岡県警において、実際にこういう取り扱いがされていることは確認しています。