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薬院法律事務所

東京都迷惑行為防止条例と軽犯罪法

2018年07月25日刑事弁護

平成30年7月1日施行の東京都迷惑行為防止条例を解説している警視庁のホームページです。

「撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け」を処罰しているのは、他の地域と同じように立証を容易にするためでしょうが、軽犯罪法が未遂を不可罰としていることとの関係はどう整理するのでしょう。

住居も対象ですからね。抵触すると思います。

 

「盗撮行為の「規制場所」を拡大(第5条第1項第2号)

改正前の規制場所である、公共の場所・公共の乗物、公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室、公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所に加え

上記場所以外の住居、便所、浴場、更衣室

【例】

住居(トイレ、浴場、更衣室(脱衣所)、その他リビング等を含む)
学校、会社等のトイレ
会社等に設置されたシャワー室
学校、会社等の更衣室

不特定又は多数の人が、入れ替わり立ち替わり利用する場所・乗物

【例】

学校や会社事務室など
カラオケボックス等の個室
タクシー

などが新たな規制対象場所となりました。
盗撮とは、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置することです。」

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/about_mpd/keiyaku_horei_kohyo/horei_jorei/meiwaku_jorei.html

 

井坂博『実務のための軽犯罪法解説』(2018年)161頁

「力 「のぞき見る」とは,物陰や隙間などから見ることをいう。何の作為もしないのに, 自然に見える場合は, 「のぞき見る」には当たらない。望遠鏡を用いて見たり, カメラやビデオカメラ(デジタルカメラ, スマートフォンのカメラ機能を含む。)を用いて撮影したりする場合も, 「のぞき見る」に当たる(判例②)。被写体を直接視認したり, カメラのファインダー(のぞき窓)を通して視認したり, あるいはデジタルカメラのモニター画面によって視認したりする行為を伴う場合には,その最も早い時点で既遂に達する。しかし,公衆浴場内に入浴客として入り, カメラをタオルで隠して他の入浴客の裸体を撮影する事案のように,直接の視認が「のぞき見」に当たらない場合,カメラを設置して遠隔操作やセルフタイマーによって盗撮する事案のように,行為者による直接の視認がない場合には, カメラのシャッターを切ってフィルムを感光させた時点, あるいはデジタルカメラの記憶媒体(メモリ等)に記録した時点で既遂に達するものと解する。なぜなら,撮影された写真がインターネット等によって公開される危険性があるなど,現にプライバシー侵害が発生しているからである。したがって,例えば, ビデオカメラを用いて隣の便所内の女性の姿態等を盗撮した場合,その録画内容を再生して見る前に逮捕されたため,録画内容を全く見ていなくても,記憶媒体に録画した時点で既遂に達する(判例③)。しかし,夫婦生活の状況を盗聴し,あるいは録音しても, 「見る」ことにならないから本号には該当しない。」