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薬院法律事務所

刑事弁護

目黒虐待死事件、母親の控訴は弁護人の入れ知恵か?


2019年10月01日ニュース

あまり取り上げたくない事件なのですが、目黒虐待死事件での母親の控訴について、ネットでは「弁護士の入れ知恵だ」という反応が多く見られました。

もちろん断言はできませんが、そんなことはまずないです。

控訴して量刑が変わらなかった場合、控訴の間の身体拘束期間が続くので却って社会復帰は長引くことが多いです。そうすると、弁護人が勧めるのはリスクが高いし、ましてや本人の意思に反してやる事案(死刑判決)でもない。

単純に母親が控訴を望んだのでしょう。母親に同情的だった人が、裏切られたような気持ちで弁護人の入れ知恵(であって欲しい)と思ったのかもしれません。

『刑事弁護ビギナーズVer.2.1』(現代人文社,2019年3月)211頁

【(6) 身体拘束期間の検討
未決勾留日数の本刑算入は裁判所の裁量による(刑法21条)。控訴審でも同様である。
控訴申立てから判決まで、一回結審の場合でも、4カ月から半年程度の期間が必要になる。原判決破棄ならば全部算入であるが、控訴棄却の場合には一部算入である。算入期間が控訴審での未決勾留期間の半分に満たないこともあり、結局、控訴しないほうが社会復帰が早かったということはしばしば起きる。】