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薬院法律事務所

刑事弁護

警察官の犯罪は、何故実名報道されないのか?


2020年03月12日読書メモ

通常の犯罪とは、報道対応のルート自体が異なるからです。

通常の犯罪については、逮捕事件と在宅事件で大きく異なります。

逮捕事件は、原則として逮捕後速やかに実名での報道発表がされます。一方、在宅事件については、重大性を考慮して、送検時に報道発表されます(匿名が多いですが、実名の場合もあります)。

しかし、対象者が警察官の場合は「非違事案」として警察組織のダメージコントロールの問題になります。

警察公論2019年5月号付録管理論文・面接対策
A警察署の当直主任として勤務中に, 自署の職員がB警察署においてひき逃げ事件の被疑者として逮捕されたとの連絡を受理した。
非違事案処理の基本的な考え方を踏まえて,具体的な処理要領について述べなさい。
90頁
【(3) 対応の基本原則
ア 署長等に対する早期報告による組織的対応をはかる。
イ 事実関係の把握は組織的方針決定の基盤であるから.迅速.詳細かつ正確に行う。
ウ 保秘によるダメージの最小化を図るとともに,事案隠しとの批判を招かないような対応が求められる。】
91頁
【4報道対応
事例問題の報道対応は,原則としてB警察署が行うことになるが、署員に関連する取材が予想される場合の対応は次のとおりである。
(1) 報道対応の基本
ア 県民に不信感を抱かれないよう誠実適切に対応する。
イ 窓口の一本化を図る。
(2) 報道発表要領
ア 組織的に内容を精査し,正確な内容を責任ある者から発表する。
イ 要旨,提供資料、想定問答等を検討し,準備する。
ウ 組織内の意思統一を図り,一貫性を確保した上で、ミスリードをしないように配意する。】

なお、警察公論の最新号(2020年4月号)では、「保秘によるダメージの最小化」という表現が、「マスコミ等に対する誠実な対応によるダメージの最小化」に変更されていました。