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薬院法律事務所

阿部恭子『性犯罪加害者家族のケアと人権 尊厳の回復と個人の幸福を目指して』

2018年07月20日読書メモ

阿部恭子先生の本です。力作です。
性犯罪事件の刑事弁護をされている方は是非読むべき。

具体的な事例を通じて、どのように加害者本人の更生と加害者家族支援をすべきか、ということが論じられており、実務の参考になります。ひとくちに「性犯罪者」といっても一様ではないです。再犯予防には、それぞれの人が、何故、犯罪とされる行為をすることになったのかを意識して対応することが重要です。

本書によれば、家族が傷ついていることを無視して示談への協力や更生への協力を求める弁護人もいるとのこと。この問題意識は重要です。

最近見た本で、成人の加害者の犯行について、被害者への弁償のために、老夫婦を説得して示談金を用意させた話を見ました。手柄話のように書かれており、違和感を覚えました。私は、示談金の協力については、「本人はそう希望しています」ということと、示談が出来た場合の見通しをなるべく正確に話す、ということ以上はしません。情状証人などもそうです。ただ、それは熱心弁護ではないという考え方もあるようで、法曹倫理の本で、保釈金などを出すように弁護人としては家族を説得すべきだ、と書いてあるものもあります。

あと、弁護人の立場としては、なかなか勤務先への説明は守秘義務や利益相反の関係で難しいことがあります。本人から望まれれば最低限の連絡はしますが、、、

それと、スイミングスクールの事件、私が弁護人なら、抱きついたけど強制ではないのであれば、それを貫くように言うと思います。虚偽自白をした人の心の傷は深いですし、嘘でお金をもらうという経験をさせるのは、女の子にとっても良くないと思うからです。

http://www.worldopenheart.com/news171005_2.html