「コンビニ強盗を始めとする強盗事件発生時における初動捜査要領」ほか 警察公論2017年9月号
2018年07月20日読書メモ
警察公論2017年9月号。
「コンビニ強盗を始めとする強盗事件発生時における初動捜査要領」
早期の現場臨場。行く途中の不審者にも目を配る。現場保存が極めて重要。現場の関係者から事情を聴取し、通信指令課に報告。防犯カメラを確認。犯行前後を幅広く保存。周辺の監視カメラも確認。機動鑑識班等により徹底して鑑識活動を行う。聞き込み捜査を広範囲に実施し、不審者目撃だけでなくコンビニの利用状況や発生前における通行状況も聞いておく。車両検問を行い、ドライブレコーダーの確認を行う。警察犬も使う。付近のコンビニにも立ち寄っていることがあるので調査する。
→どういう捜査がされるのかイメージをしておくことは、起訴前弁護にも、公判弁護にも重要です。これに関してはシリーズ捜査実務全書という良い本があるのですが、10年ほどたっており情報がやや古くなっています。
「職務質問のススメ~職務質問ができれば、警察人生は前途洋々!!~」第5回 職務質問に対するモチベーション
ある心理学者の説によれば「心が疲れた」「モチベーションがあがらない」というのは「気のせい」。職務質問で検挙すると達成感が得られ、自分の評価もあがる。逆に、警察の仕事は人を相手にする仕事だから、職務質問が苦手なままではマイナス。職務質問は笑顔で。イメージトレーニングを徹底する。一手先を読んで構え実践する。今まで話してきたことを無意識にやれるようになるまで訓練する。「勇気」「やる気」「根気」に満ちた心、そして「元気」な体さえあれば、職務質問はできます。
→面白い連載でした。多分任意性の問題で、自信を持てない若手が多いので、それを励まそうという感じの企画だったのかなと思います。こうすると違法だから~とかではなく、徹頭徹尾どうやって上手く検挙するのかのテクニック、心構えの話でした。確かに他の交渉とかにも使えそうな感じで,柔らかな強引さを持つ手法、という感じでした。
「地域警察官のための捜査書類作成ガイド~検察官はここを見る~」第8回 被害届
被害届の作成にあたって特に気をつけるのは時価の問題。まとめ買いで値引きされるとしても定価のままで良いが、セール品はセール品の価格で。時価は自白事件でも争われることは多い。量刑に関わる。特に高額で被害品が現存しない場合の時価については、被害届を受理する際に気をつける。購入した時期、価格、写真、使用状況、同種の物の流通価格等の裏付け捜査を実施して時価を慎重に算定する。あえて時価については当初は書かないということも。時価が公判で争われて大きく減額となると、否認事件では被害者供述の信用性まで大きく落ちることになる。
https://ssl.tachibanashobo.co.jp/products/detail.php?product_id=3397