「放置違反金滞納処分~あなたの知らない差押えの世界~ 第1回 ようこそ差押えの世界へ!」京都府警察本部交通部交通指導課駐車管理センター運用係長警察庁指定広域技能指導官 落田望 ほか 警察公論2018年5月号
2018年07月20日読書メモ
警察公論2018年5月号。
「放置違反金滞納処分~あなたの知らない差押えの世界~ 第1回 ようこそ差押えの世界へ!」京都府警察本部交通部交通指導課駐車管理センター運用係長警察庁指定広域技能指導官 落田望
「車両の使用者に対する「放置違反金」制度の実践。放置違反金とは、放置駐車違反があった場合に、車両の名義人にペナルティとして反則金を課す制度。この放置違反金は道路交通法の規定により税金の手法を用いて徴収することが出来るとなっている。
筆者は平成18年3月からこの制度に関わるようになった。「車両の使用制限命令」について既存のシステムが不便だったためエクセルで独自のシステムを作っていたところ、他の職員から複数の滞納者に対して、複数の金融機関への照会文書を簡単に作りたいという要望があった。それまで、滞納者に直接訪問をして、説得して払って頂く、という手法をとっていた。そこで滞納処分に対して興味を持ち、滞納処分の係に異動した。
異動すると問題は大変深刻で、滞納処分の係は自宅や会社の近くまで行って回収しており、約束をすっぽかされたり、小銭を道路にばらまかれたりといったこともあった。しかも、私が提案する差押えをメインとした徴収方法について、「昔からこうやっているから」と同意しなかった。そこで、自らの担当区でまず始めた。催告文書を発出し、来庁の上納付させる。怪我や寝たきり等の人以外は訪問せず、訪問は一回のみ。預金口座は躊躇なく差し押さえる。これに女性職員が賛同していった。それまで、女性職員は特に滞納者から不当な取り扱いを受けたりしていたと思われる。筆者から見ても「厳しい~」と思うほど厳しく対応していた。以下次号。」
→滞納処分の問題については、過剰に差押えているのでは、ということで問題にされることもありますが、実際舐めてかかって払わない人に対して法的手段できっちり回収するということは大事なのですよね。次号では、滞納者の財産を差し押さえてインターネットで売却した話をするそうです。
「実務刑事判例評釈 最決平成29年12月11日 裁判所時報1690号18頁」法務省刑事局付検事 神谷瑞枝
「このように、本決定の理論構成は必ずしも明らかでないが、、、」
→私が担当した、だまされたふり作戦事件の最高裁判例の評釈です。理論的には説明できない判例ということで、正直な記述だと思います。なお、刑事法ジャーナルの55号で慶應義塾大学の佐藤拓摩先生が最高裁を擁護して「行為の一体性」に着目する考え方で妥当と書いているのですが、犯行計画を考慮し既遂結果に「寄与しうるかどうか」といった話は、因果的共犯の理論とは整合しないと思うのです。
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