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薬院法律事務所

刑事弁護

「特別企画 犯罪の心理  藤岡淳子=編」こころの科学188号


2018年07月20日読書メモ

犯罪心理学についての分かりやすい特集です。
心理学者や、科捜研、元刑務所職員、医療刑務所、保護観察所、大阪府治安対策課の方などか執筆されています。私の実感とも合う内容です。残念なのは執筆者に弁護士がいないこと(´・ω・`)

私は、こういった本を被疑者・被告人に差し入れたりすることもしています。

彼ら、彼女らは自分がどうして犯罪をしてしまったかを自分でも分かっていないことがあります。不思議な話ではないです。我々だって犯罪ではなくても色々失敗したりすることがありますし、それをどうしてしたのか、と言われても論理的に説明できるものではありません。依頼者が立ち直るためには、自分自身が何故このような行為をしてしまったのか、それを振り返ってもらうことが大事です。

犯罪行動は、個人が環境や状況の中で個人としての欲求充足を図る際に、自身の行動を統制し、周囲との欲求との葛藤を調整する十分な力を身につけられず、あるいは不適切な学習をした結果と考えられているそうです。どこかで、個人の生き方と社会との間にズレが生じたということだと思います。

上から目線で「反省しろ」と求めるのではなく、何故「失敗(犯罪)」をしてしまったのかをともに考える、それが結局は依頼者のより良い人生にもつながり、社会にも有益だと思っています。

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