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薬院法律事務所

「特殊詐欺に悪用される電話の現状と対策」警察庁捜査支援分析管理官付 中霜裕文 警察公論2018年6月号

2018年07月20日読書メモ

警察公論2018年6月号読書メモ。

「特殊詐欺に悪用される電話の現状と対策」警察庁捜査支援分析管理官付 中霜裕文

「犯罪を助長し、又は容易にする基盤」を犯罪インフラという。犯罪インフラの中でも幅広く悪用されているのが携帯電話。

プリペイド式携帯電話については「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」でドコモなどに本人確認を義務づけ、レンタル携帯電話についても業者に本人確認・記録保存を義務づけたことで減少したが、今問題となっているのがMVNO(仮想移動体通信事業者)。自社で通信設備を開設・運用せずに、他社(ドコモ等)の通信設備を借りて、自社ブランドの通信サービスを提供する会社のことである。インターネットイニシアティブ、NTTコミュニケーションズなどがあり、総務省が把握しているだけでも800社ある。多くのMVNOが実店舗を持たない。

特殊詐欺グループは、例えば、MVNOのホームページにアクセスし、申込者の氏名・住所として架空氏名と空き部屋の住所を入力し、偽変造された身分証をアップロードする。そして、携帯電話を空き部屋に配達させるといった手法で携帯電話を不正取得する。

警察の対抗措置は
(1)携帯音声通信事業者に本人確認を求める
→法8条が根拠。詐欺や恐喝等に利用された携帯電話につき、通信事業者に通知。レンタル業者が契約者の場合に利用停止が出来ない。
(2)役務提供拒否の情報提供
→法11条が根拠。携帯電話が不正取得されたことを通知して強制解約させる。犯行利用が要件でないことが良いが、不正取得を明らかにするために複数のレンタル業者やMVNOに照会することが必要となるケースが多く、時間がかかる。
(3)利用停止の緊急要請
→音声通信事業者の契約約款が根拠。特殊詐欺に複数回利用された携帯電話について警察から緊急要請することで利用停止できる。即日利用停止する業者もあるなど即効性がある。

悪用される携帯電話の数が減ってきた一方で,最近は固定電話の悪用が増えた。昨年は固定電話が携帯電話の約4倍。IP転送型の仕組みを使い、犯人の固定電話機や携帯電話からの発信をインターネット上で電話転送し、相手方に03等で始まる固定電話番号を着信表示させるというものである。

現在、警察庁において総務省や関係事業者との間で、一定の要件の下で特殊詐欺に用いられた電話番号につき、警察からの要請に基づいて事業者が利用停止措置を講じるスキームを構築中である」

→一昔前は特殊詐欺といえば携帯電話だったのですが、固定電話利用が増えてきたということで紹介します。