第一東京弁護士会法律相談運営委員会【編著】『実例弁護士が悩む高齢者に関する法律相談 専門弁護士による実践的解決のノウハウ』
2018年07月20日読書メモ
お勧めのシリーズです。面白くて一気読みしました。
大半が成年後見人がらみで、相続も含めてぐちゃぐちゃで困難な事件にどう対応したか、ということが、失敗談も含めて具体的に書かれています。高齢者の委任状の奪い合いとか凄まじい。認知能力の衰えた人からいかに財産を剥奪するかに血道をあげる親族、業者の姿は小説に出来そうです。成年後見人をやる専門職は持っていて損はないです。大変な事件も、これに比べれば、と感じます。
また、相続紛争で良くある預金の使い込み問題についても、裁判所が使い込みの認定をなかなかしてくれないことが、何度も書かれています。依頼者に対する説明にも使えそうです。
シリーズの中では、理論的な問題というより、状況を打破するために法的手段含め、どういうことをしたのか、後見人としてどうすべきか、という悩みがメインです。
ちなみに、読んだ人しかわからんネタですが、私ならカステラは返品せずに寄贈するかなあと思います。本人の生き甲斐だったのでしょうから、今回限りということで。
https://www.kajo.co.jp/book/40696000001.html