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薬院法律事務所

『実践!弁護側立証』

2018年07月20日読書メモ

この本は結構良かったです。

現行法の枠組みの中で、弁護人が入手しうる証拠としてどのようなものがあるか、それを取得する際にどういう工夫が必要なのかということが経験を踏まえて記載されています。公判での証拠開示請求等についても、最新の運用まで踏まえた記述がされています。

刑事弁護では、基本的には捜査機関の収集した証拠について、それはおかしいのではないかと弾劾する、あるいは自白調書が作成されないようにする、といった形で証拠の不備をつくということが中心となります。これは、犯罪の立証責任が検察側にあるので当然のことです。とはいえ、だからといって弁護人が証拠を収集することが無意味ということはありません。むしろ、「シロ」の捜査を積極的にすることで、依頼者の無実を明らかにすることが出来ます。

基本的な証拠としては、示談書、関係者の陳述書、捜査機関に対する抗議文(内容証明郵便)、被疑者ノート、医療記録、防犯カメラなどがありますが、これに限られません。どういう証拠が収集可能かをなんとなくでも頭に入れておくことは大事です。

個人的には、弁護士会照会を活用することで刑事施設から情報を得る方法と、起訴後の裁判所に記録謄写請求をすることで逮捕状の請求書(逮捕の理由や証拠の標目が記載されている)が取得できる場合があること、証拠調べ請求として、第三者が所有する証拠物につき差押・提出命令を請求するという手法があることを初めて知りました。

一点、98頁に勾留理由開示請求での意見陳述は公開の法廷で第三者に意見内容を知られるデメリットがあるという記載がありますが、あらかじめ意見書を作成して「意見書のとおり。」と陳述させることも可能です。

http://www.seibundoh.co.jp/pub/search/031534.html