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薬院法律事務所

企業法務

商標法違反における取調事項


2021年08月31日読書メモ

捜査研究会編『必携取調べチャートー刑法・特別刑法一』(東京法令出版,2012年3月)という本に掲載されていました。

捜査機関向けに販売していたようですが刑事弁護人にも役立ちます。

特別法犯は薄いですが、例えばこんな感じです。

244頁

【立証事項※
①商標使用に関し何らの権限がないこと。
②侵害行為の内容
③商標権侵害の故意があったこと-他人の登録商標であることを認識しながら、これをその指定品若しくは指定役務と同一又は類似の商品若しくは役務に使用する意思
※使用……商標法2条3項各号の使用行為をいい、その各号の使用行為を認識していることが必要

1 犯行の動機又は理由
犯行を決意した時期とその理由
この業界に身を置いた期間

2登録商標の著名性
いつ、どこで、どのような方法で知ったか

3 犯罪行為の準備
1 広告宣伝の有無一あるとしたら、いつ、どのような方法で
-2 店舗の賃貸借契約の有無
-3 商品陳列の有無とその状況
-4 真正品の流通経路といわゆる複製品の流通経路、価格の比較
4 犯行の日時・場所
日時の特定の根拠(伝票類帳簿の押収)
店舗か露店か】

この後、5 商品の仕入れ状況、6 犯行状況詳細、 7 収益の額、使途、 8 共犯関係 と続きます。

私は商標法違反は民事事件しか担当したことがありませんが、捜査機関向けの本を含めて勉強を続けています。刑事弁護のご相談もお待ちしています。

 

なお、少し古いですが、以下の本に商標法違反の供述調書例があります。

田中豊『新供述調書の書き方-特別法犯Ⅱ-』(日世社,2001年7月)

森山栄一ほか『供述調書作成の実務 特別法犯Ⅱ-改訂版-』(近代警察社,2005年11月)