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薬院法律事務所

刑事弁護

木村誠宏「実務刑事 判例評釈(case 331)福岡高判令4.3.29 防犯カメラに撮影された犯人映像と被告人との異同識別に関する顔貌鑑定の証拠能力を認め、その鑑定等に基づいて被告人の犯人性を認めた事例」警察公論2023年3月号81頁


2024年01月29日読書メモ

防犯カメラと顔画像鑑定について、裁判例を踏まえた評釈です。目新しい議論がなされているわけではないですが、顔画像鑑定について基本的な知識を解説する文献として、意見書などに添付する使い方が考えられます。

 

当たり前のことなのですが、意見書の説得力は、抽象論からは生まれません。具体的な事実の指摘、証拠の添付、主張を裏付ける文献の添付といった地道な作業から生まれます。私が大量の法律書を購入し、法律雑誌の定期購読をしているのもこのためで、捜査機関や裁判所が見落としている文献がないように示すとともに、意見が対立しているときは何故弁護人の主張する意見が正しいのかを示すようにしています。手間がかかる作業ですが、それだけの効果はあると実感しています。