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薬院法律事務所

刑事弁護

液体大麻(大麻リキッド)と後日逮捕・捜索


2024年01月17日読書メモ

頻出の相談です。

職務質問から液体大麻の所持が発覚した場合、乾燥大麻と異なり、大麻取締法に違反するか否かその場で判断ができないことから、現行犯逮捕はされずに帰されることが一般的な取扱いです。では、その後は特に何もなく在宅捜査で終わるのでしょうか…というとそうでもなく、後日逮捕や捜索がなされることがあります。

 

例えば、警察公論2021年8月号の恩田剛裁判官「令状請求における犯罪事実の疎明の程度と犯罪事実の記載の在り方」では、【薬物鑑定未了の段階で】液体大麻を所持した嫌疑で、後日捜索差押令状が請求された実例が紹介されています。同記事では次のような記載もありました。

73頁

【なお,前述した覚醒剤性の疎明に関して言えば,捜索差押許可状等の請求レベルでは鑑定書が不要である一方,逮捕状の請求レベルでは鑑定書が必要になるというように,人権制約の強弱の差などが令状の種類によって異なることから.その立証の方法に違いが生じることにはなるものの,鑑定書があってもなくても,覚醒剤性も含めて,犯罪事実は全て「疑い」に過ぎません。現に,逮捕状記載の事実は, 「被疑事実(疑いを被った事実)」というわけです。】