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薬院法律事務所

刑事弁護

自宅に対する捜索差押令状で同居家族の部屋も捜索できるか


2021年07月30日読書メモ

あまり文献が見当たらない論点ですが、警察実務としては別々に令状をとっているようです。従って、タイトルに対する回答は、同居人の部屋までは捜索できない、という結論になります。ただ、同居人がいわゆる占有補助者にあたる場合は、独立の管理権がないということで捜索差押ができるでしょう。

また、同居人が本人のものを隠しているという疑いがあれば、令状の効力として同居人の部屋まで捜索差押がなされることもあると思います。令状自体は居宅を捜索場所としているのであれば、捜索がなされても違法行為とは言いがたいでしょう。

捜査実務研究会編著『4訂版 捜索・押収必携』(東京法令出版,2015年5月)23頁

【3 Aの居宅に対する令状で娘夫婦の居室を捜索することの可否

空間的に単一であっても管理権が異なれば、令状提示や捜査の密行性を考慮し、複数の場所と考えて、別個の令状を求めなければならない。 したがって、同一家屋内にある居室であっても、管理・使用が別人であればあらかじめ令状を別個に得る必要がある。】