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薬院法律事務所

刑事弁護

軽犯罪法違反と現場注意、始末書措置


2021年11月14日読書メモ

時々誤解されている方もいるのですが、軽犯罪法違反には微罪処分はありません。ただし、違反態様が軽微な事例では、「現場注意」や「始末書」措置で終わらせられることもあります。

これは、軽犯罪法が日常生活で国民がおかしがちな違反行為を定めていることから、厳格に運用してしまうと国民の自由を過度に制限してしまうからだと思われます。

軽犯罪法4条

第四条 この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。

次の本に具体的要領が書いてありました。

地域実務研究会編『地域警察官のための初期捜査活動』(立花書房,2005年8月)85頁

【同法1条には, 1号から34号まで33の罪種が定められているが, これが定形,明白でないため各個にその悪性の基準を定めることができない。
しかし,取締りに当たっては,正しい擬律判断の上に立ち,次に示す基準によって,段階的に妥当な方法で行うことが必要である。
①判断基準
○被疑者の行為内容,前歴などから再犯の危険性はないか
○行為の時間・場所などから計画的な犯行ではないか
○組織的な犯行ではないか
○公害等社会的事犯ではないか
○真実の反省があるかどうか
②段階的な取締り
ア現場注意

(略)

イ 「始末書」措置
(略)

ウ送 致
悪質な事犯は送致することとなるが, その処理要領は後述する。】