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薬院法律事務所

企業法務

文献紹介 「債権回収の実務」平成28年度の現代法律実務の諸問題(企業法務)


2018年07月20日企業法務

平成28年度の現代法律実務の諸問題読書メモ。「債権回収の実務」。なかなか興味深い内容でした。

債権回収業務は弁護士業務の基本です。私は結構好きで、どうやって追いかけようかとか考えます。やり過ぎると破産されてしまうのですが。

なるほどと思ったのは以下の点。

弁護士会照会で回答しない金融機関対策。金融機関に照会をかけずに、各種料金の引き落とし口座を引き落とし先に照会する。証券会社など。

銀行預金の差押えの際に転付命令をあえてしないこともある。転付命令は、競合債権者がいても優先弁済を受けられる(但し第三債務者が資力がない場合にそのリスクを負う)。銀行は、資力はあるし、相殺をしてきても元の債権が復活するので良さそう、、、ところが銀行は「相殺予定」と言いながら相殺をしないで放置する。こうすると元の債権が塩漬けになる。

共有持ち分の換価について。そのままでは売却が難しいので、共有物分割請求権の債権者代位を行う。

動産売買先取特権は、現物にも使えるし、売却代金にも使えるし、破産になって使える、しかも訴訟不要という強さ、しかしその分高度の蓋然性の立証が求められる。そのためにしっかりした契約書が必要で、「商品一式 1000万円」などという契約書ではダメ。

執行は裁判所のひな型通りでないと受け付けられない現実があるので、まずはその相場感覚を身に付けること。

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