「公判を見据えた現場鑑識活動」ほか 警察公論2017年7月号(刑事弁護)
2018年07月20日刑事弁護
警察公論2017年7月号。
<必読記事>公判を見据えた現場鑑識活動/萩本鉄
立証三原則。①立会人の確保、②写真撮影、③関係記録への明示。厳密に行う。立会人は警察職員以外にすべき。採取日時、採取箇所、採取経過、指掌紋や足跡は向きが重要。
DNA汚染防止のため、未使用のマスク、帽子、靴カバー、ゴム手袋等を着用。手袋は最後に着用するなど外表面に自分の資料を付着させない。
指掌紋の検出によりDNA資料が破壊されることがある。順番と方法をよく考える。
指掌紋の向きが、防犯カメラで撮影された犯人の行動と矛盾し、他の日に被疑者が訪れていたことから無罪となった事例がある。強制わいせつ事件において、被疑者がカウンターを両手で叩いたとの被害者の証言があったが、同所から採取した指掌紋の向きが違ったことから無罪となった事例も。
DNA鑑定で皮膚片等は微物キャッチャーや粘着シートで採取するが、事件と無関係の第三者のDNAが検出される可能性が高くなることに注意。被疑者由来の資料が遺留されている可能性が高いところを選定する。
「職務質問のススメ~職務質問ができれば、警察人生は前途洋々!!~」第3回 職務質問に対する苦手意識を克服するために~うまくいく魔法の言葉とは~
「ふみよ」の原則。「ふ」2つの告知「身分」「職務質問理由」。「み」3つの確認「何をもっていますか」「何をしていますか」「あなたは誰ですか」。「よ」4つのポイント「安全ですか」「逃げられませんか」「捨てられませんか」「任意ですか」。
印象は見た目が55%、声のトーンが38%、話す内容が7%(メラビアンの法則)。態度で好意を示す。LINEのスタンプが売れるのは非言語だから。これが「言葉に魔法をかける」ということ。ごめんね~ごめんね~くらいの感じで進める。若手は舐められまいとして威圧的になりがちなので注意。
ボディランゲージも大事。ポケットの中を見せてもらうには、自分も同じようにポケットを裏返して見せる。相手の言葉をまねる。「はい」と答えが来る質問を多用して、その中に所持品検査を承諾させる質問を入れる。「危ない物は持ってないよね?」と聞くべきで「危ない物を持っているんじゃないか?」はダメ。声かけで同様している相手には会話をすると冷静になるので、素早く所持品検査をすることもある。
「悩める現場の誌上事件相談室 検事!この事件どうすればいいですか?」
不特定多数に「お前の不倫の証拠写真を握っている。勤務先にばらまかれたくなければ、金を払え」とメールを送って、引っかかった人から金をとる事例。詐欺?恐喝?
→恐喝罪。事例によっては詐欺罪との観念的競合。
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000395862-i12930043