文献紹介 「職務質問のススメ 第4回 職務質問における話術等」ほか(刑事弁護)
2018年07月20日刑事弁護
警察公論2017年8月号。
「職務質問のススメ~職務質問ができれば、警察人生は前途洋々!!~」第4回 職務質問における話術等
職務質問における声かけの際は「空白の15秒」(人は予想外のことに遭遇すると、15秒間ほど、ありのままにそれを受け入れる状態になること)を有効に使うために、手際よく所持品検査に進めるように言われる。
心理学的に、1つの指示には抵抗しやすいが、2つの指示には抵抗しづらくなる。「エンジンを切って、ドアを開けて降りてきてね」と言い、動き出しの隙をついて「セカンドバックを持ってきてね」とした実例。
職務質問を行うための「不審点」を見抜くためには、「普通の人」に自然に挨拶や声かけをして会話すること。子どもを見て笑顔で笑っている人の中に、その表情に異様さを感じ職務質問したところ、凶悪な強盗強姦の常習者が品定めをしていたことが判明したという経験がある。
「実務刑事判例評釈」札幌地判平成28年11月10日、同高判平成29年4月14日
二台の自動車が一般道で速度を競い合った末に、赤信号を無視して交差点に進入した先行車両が4名の死亡事故を引き起こした事例。事故までの走行状況から「互いの走行速度を意識し、自動車で競争する意思」を認定し、赤色信号をことさらに無視して重大な交通の危険を生じさせる速度で本件交差点に進入することにつき黙示の共謀がある、として、衝突していない被告人にも危険運転致死傷罪を認めた。
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