書籍紹介 『カウンセラーが語るモラルハラスメント 人生を自分の手に取りもどすためにできること』
2018年07月20日一般民事
とある先生から教えて頂いた本です。
モラルハラスメントとは何かということ、そこから被害者が抜け出すためにどうすべきかということで参考になりました。
モラルハラスメントに苦しむ離婚事件の相談者(男女を問わず被害者が多くいます)に勧めて良いと思いました。離婚調停での対応や面会交流への対応も実践的です。
身体的暴力も、精神的暴力も、その本質は相手の人格の否定と、コントロールなのですね。
以下、覚書。
モラハラは精神的暴力。じわじわと相手を壊していく。「人を人と思わない」「相手を操ろうとする」。小さな子供と同じメンタリティで、駄々をこねることで周りを変えようとするのと同じ。語彙が豊富なだけ。マトモにとりあってはいけない。
モラハラは男ー女という枠組みを越えて、自分の世界だけが絶対であると信じ、「相手の人格・価値観」など、すべての世界観を無視します。あなたの相手の言動が、あなたの世界を一切無視しているかどうかが、モラハラを見分けるポイント。
モラハラからの脱却に必要なのは加害者を知ることではなく、自分がどう生きていきたいのかを、自分自身の意思で見いだすこと。
実は、被害者がモラハラの被害にあいつづけた結果、心が破裂し、攻撃してしまうことがあり、その行動を、モラハラパーソナリティに利用されるケースは良くある。破裂行動、暴言を吐く、怒鳴り散らす、物を投げる等。モラハラの加害者と被害者を見極めるには、攻撃行動そのもので判断してはいけない。攻撃行動が継続的か、自分自身の心を満たすために、日常生活の中で執拗に繰り返しているか、その行動によって相手をコントロールしているかどうかを見極めることが重要。
モラハラはマインドコントロール。継続的な言動で相手を支配していくが、一つずつのエピソードはたわいもないように聞こえる。
モラハラに理由を探そうとしてはいけない。理不尽に人を攻撃するもの。努力でなんとかしようと考えてはいけない。理由は加害者にあり、被害者にはない。しかし、継続的にお前が悪いと刷り込まれてしまう。
モラハラの人は外面は良い。モラハラの被害者は最初から卑屈だったわけではなく、加害者により卑屈にされていく。
モラハラの人はいかにもあなたのためであるかのようにあなたの弱点、欠点を指摘し、あなたの意識に劣等感、罪悪感を刷り込んでいく。
モラハラは重大な問題では相手の意見を聞くように見せて、不機嫌であったり、口出しをしたりして、結局自分の意見を選択させる。そして、失敗の責任を取らせる。
モラハラは連鎖する。子供にも重大な悪影響を与える。一見して子供に優しいように見えても、「子供に優しい良いお父さん」と見られたいという行動。
モラハラを受け続けると自信が失われ、ここから逃げ出せないという気持ちになってしまう。
モラハラからはまず離れること。離れようとするときに徹底的に攻撃を加えてくる。弁護士をいれることも考えるべき、あなたの話をしっかりと聞いてくれて、理解しようとしてくれる弁護士を選ぶべき。
モラハラに囚われてはいけない。怒りや見返してやるという感情も囚われになる。自分の人生を切り開いていくべき。「モラハラかどうかはもうどうでいいのです」