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薬院法律事務所

刑事弁護

【解決事例】スリ事件(否認事件)での現行犯逮捕、釈放してもらえないかという相談


2024年08月15日刑事弁護

※解決事例は実際の取扱事例をモデルにしていますが、特定を避けるため、複数の事例を組み合わせる等した上で、大幅に内容を変更しています。

 

【相談】

 

Q、息子が電車内でスリをしてしまったということで逮捕されています。本人は盗んだことは認めているのですが、「被害者が落としたので拾った」といっているようです。捕まったままで困っているのですが、どうすれば良いのでしょうか。

A、落としたので拾った、ということでも「窃盗罪」は成立すると思われますが、犯罪の情状としては重要な事情になります。やっていないことはやっていないと否定しつつも、身体拘束に向けて動くことで釈放される可能性があります。起訴されても、保釈が認められる可能性は十分あります。

 

【解説】

 

私が以前取り扱った事例をモデルにしています。この事件では、示談は成立せず、正式裁判となりました(検察官から、スリ事件では、前科がなくても罰金刑というのはないと言われました)。保釈請求をしましたが、検察官からは、本人が犯行経緯の一部について否認しているという理由で反対意見が出され、裁判所も保釈を許可しませんでした。私は、反対意見の内容を精査して、その意見が保釈の条件に関わる話ではないこと、検察官の主張が事実の根拠を欠くこと等々を理由として準抗告を行い、無事に保釈が認められました。判決も、無事に執行猶予付きの判決となりました。

勾留にせよ、保釈にせよ、裁判所は検察官の主張を認めがちです。そして、弁護側は証拠にアクセス出来ないため、その内容がおかしいということを証拠に基づいて反論することは出来ません。しかし、保釈に対する検察官の意見は、実は弁護人であれば閲覧、謄写ができます。この意見を確認することに加えて、本人の話などから状況を補うことで、説得的な準抗告が出来ることがあります。おかしい、と思うことに食い下がっていくことが刑事弁護では特に重要です。

 

刑事訴訟法

https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131#Mp-Pa_1-Ch_11-At_157_6-Pr_4

第四十条 弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、且つ謄写することができる。但し、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。
②前項の規定にかかわらず、第百五十七条の六第四項に規定する記録媒体は、謄写することができない。

 

裁判手続 刑事事件Q&A

https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_keizi/index.html

ご相談後の流れ(身柄拘束事件)