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薬院法律事務所

刑事弁護

【解決事例・無罪判決】特殊詐欺(受け子)で無罪判決(詐欺、刑事弁護)


2024年08月15日刑事弁護

【相談前】

特殊詐欺事件で、いわゆる受け子をしていた方でした。
他人の家で、偽名で荷物を受け取るという仕事をやったところ、警察官に現行犯逮捕されました。本人は、怪しい仕事とは思っていたけれど、詐欺の片棒を担いでいるとは知りませんでした。

【相談後】

否認をし続けましたが、最終的に起訴されました。
しかし、法廷で、検察官が提出した証拠について徹底的にその必要性や信用性を争い、被疑者と打ち合わせを繰り返して事実関係を明らかにし、緻密な法律論を展開したことにより、無罪判決を得ることが出来ました。

【弁護士からのコメント】

無罪判決については、残念ながら高等裁判所で破棄されました。その後、最高裁に上告しましたが、有罪が維持されました。
もっとも、最高裁でも、形式的に却下されたわけではなく、「所論(私が上告申立で主張した議論)に鑑み」法律的判断を示したことで、多くの判例評釈がされる重要判例となりました。
結果についても、有罪ではあるものの執行猶予がついたので、ご納得いただけました。先例のない分野でも、手探りで理論を検討して、主張していくことの重要性を実感した事件でした。

 

※最高裁判決

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87302

事件番号
平成29(あ)1079

事件名
詐欺未遂被告事件

裁判年月日
平成29年12月11日

法廷名
最高裁判所第三小法廷

裁判種別
決定

結果
棄却

判例集等巻・号・頁
刑集 第71巻10号535頁

原審裁判所名
福岡高等裁判所

原審事件番号
平成28(う)451

原審裁判年月日
平成29年5月31日

判示事項
共犯者による欺罔行為後だまされたふり作戦開始を認識せずに共謀の上被害者から発送された荷物の受領行為に関与した者が詐欺未遂罪の共同正犯の責任を負うとされた事例

裁判要旨
共犯者による欺罔行為がされた後,だまされたふり作戦が開始されたことを認識せずに共犯者らと共謀の上,詐欺を完遂する上で欺罔行為と一体のものとして予定されていた被害者から発送された荷物の受領行為に関与したなどの本件事実関係(判文参照)の下では,だまされたふり作戦の開始いかんにかかわらず,被告人はその加功前の欺罔行為の点も含め詐欺未遂罪の共同正犯としての責任を負う。

参照法条
刑法60条,刑法250条,刑法246条1項

 

【参考記事】

「だまされたふり」作戦から「拠点急襲」へと作戦を変えた警視庁の狙いと成果

https://gendai.media/articles/-/131292

振り込め詐欺捜査の切り札「だまされたふり作戦」 摘発急増

https://www.sankei.com/article/20141107-D3ELI7OBCFJ2JL3AVNTQ7N6YRY/