一人で出来る、万引き依存からの脱却方法(万引き、刑事弁護)
2025年01月28日刑事弁護
私のこれまでの記事やインタビューをもとに、包括的なアドバイスをする記事をchatGPT o1 proに作成してもらいました。
以下の記事は、万引きを繰り返してしまう方からの「どうしても万引きをやめられない。どうすればいいのか?」というご相談を想定し、具体的かつ包括的なアドバイスをまとめたものです。刑事弁護や依存症支援の経験を踏まえ、本人が「自力でできること」に重点を置きながら、非難せず・寄り添う姿勢を大切にしています。併せて、筆者がインタビューでお話しした内容も反映しながら、万引き事件をめぐるリアルな状況や弁護活動の実態をご紹介します。長文ではありますが、必要に応じて気になる部分から読んでいただいて構いません。あなたが少しでも「万引き癖を断ち切りたい」と思っているなら、きっと役立つ情報があるはずです。
目次
- はじめに:万引き依存という現実と葛藤
- 相談事例(架空)から考える万引きの背景
- 40代女性医師の事例
- 「誰かに言われるかもしれない恐怖」で相談できない
- 万引き事件を繰り返す理由:愛着障害・ストレス・孤独
- 愛着障害との関連性
- ストレス解消・自傷的行為としての万引き
- 「金銭目的」ではない万引きの実態
- 「非難せず、寄り添う」刑事弁護人のアプローチ
- インタビューから読み解く弁護活動のポイント
- 被害者や社会を無視するわけではない
- 本人の背景を丁寧に把握し、更生支援につなぐ
- やめたいのにやめられない万引き癖:自力で取り組むための方法
- まずは本を読む(おすすめ書籍の活用)
- 「認知行動療法(CBT)」や「条件反射制御法」の基本
- ストレスマネジメントの具体策
- 日常で試せる「行動記録」と「リスク回避」
- 誰かに打ち明ける勇気を持つ(弁護士・カウンセラーなど)
- 弁護士への相談:法的な観点と更生支援
- 微罪処分・不起訴・示談交渉のリアル
- 取調べや余罪の供述について
- 万引き事件での再犯防止策
- 「認知の歪み」をどう扱うか:責めるのではなく、客観視する
- 研究や文献が示すCBTの注意点
- 「あなたが悪いのではなく、認知が悪さをしている」
- インタビュー抜粋:刑事弁護への想い
- 「子どものように罪悪感を抱える大人」への寄り添い方
- 再犯防止と家族のダメージの軽減
- 被害者との示談交渉のリアル
- 今後の展望と社会へのメッセージ
- 万引き依存を断ち切るためのステップまとめ
- 自分を責めすぎない
- 小さな成功体験を積む
- サポートや専門家を上手に活用する
- 参考書籍・文献のご紹介
(※この記事は約1万字を超える長さになっています。必要に応じて目次から該当箇所のみご参照ください。)
1. はじめに:万引き依存という現実と葛藤
万引きと聞くと、「お金に困った人がやる行為」「軽い犯罪」などのイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、実務や相談現場でお話を伺うと、経済的には困窮していないのに、なぜか万引きを繰り返してしまうというケースが少なくありません。むしろ、社会的地位の高い仕事に就いている方、真面目で周囲の評価も高い方ほど、ある日突然万引きで捕まったりして、本人や家族を大きく混乱させることがあります。
「なぜ万引きなんてするんだ?」と周りから責められ、「自分でもわからない」「やめたいのにやめられない」と苦しむ——このような状況は、**「依存症」や「アディクション」**と呼ばれる領域の問題として捉えることができます。アルコール依存やギャンブル依存、性依存などと同じように、万引き行為そのものが習慣化し、本人の意思だけでは制御が難しい状態に陥ってしまうのです。
- 一時的に得られるスリルや達成感
- ストレス発散や自傷行為的な意味合い
- 愛着障害に起因する満たされない心の穴
こうした背景が複雑に絡み合い、繰り返し万引きに走ってしまうことがあります。万引きは刑法上の窃盗罪にあたり、処罰を伴う行為であるのは間違いありません。しかし、だからといって「責める」ことだけで問題が解決するわけではないのです。大切なのは、なぜ万引きに走ってしまうのかを丁寧に探り、再犯防止策を講じながら「生き直し」を図ること。その意味で、法的対応とメンタルサポートを両立させる必要があります。
2. 相談事例(架空)から考える万引きの背景
40代女性医師の事例
Q. 「私は福岡市に住む40代の女性医者です。独身で一人暮らしをしています。ある時、出張先のコンビニで万引きをしてしまいました。それ以来、疲れた時に衝動が抑えられず、何度も万引きを繰り返しています。捕まって警察に通報され、微罪処分で済みましたが、またやってしまいました。警察からは『今度は微罪処分では済まない』と言われており、自分でも怖いし自分が嫌です。どうしたらよいのでしょうか?ネットでは自助グループやカウンセリングが勧められていますが、恥ずかしくて行けません。」
このケースのように、**「高い社会的地位」**にありながら万引きをしてしまう方は、決して少なくありません。仕事のストレスや、一人暮らしで相談できる相手がいないことなどが重なり、「やってはいけない」と頭では分かっていても、衝動に負けてしまうのです。
「誰かに言われるかもしれない恐怖」で相談できない
とくに医師や教師など、「人に迷惑をかけてはいけない」「しっかりしていないといけない」と周囲から期待される立場の方ほど、自助グループやカウンセリングに通うことを強く躊躇します。恥ずかしいと思う気持ち、あるいは「同僚や友人に知られたらどうしよう」という恐怖が大きいのです。その結果、一人で抱え込み、誰にも相談できずに再犯するという悪循環に陥りやすくなります。
こうした悩みを抱える方にこそ、**「非難せず、寄り添う」**アプローチが大切です。
3. 万引き事件を繰り返す理由:愛着障害・ストレス・孤独
愛着障害との関連性
万引きが「愛情を盗む行為」とも言われるように、背景として愛着障害(幼少期に両親や養育者との間で安定した愛着関係を築けず、自己肯定感や他者への信頼感が不足してしまう状態)が潜んでいる場合があります。心の奥底で「誰も自分をわかってくれない」「自分は満たされない」という孤独感や不安感を抱えており、その苦しさから衝動的に万引きに走ることがあるのです。
たとえば、幼少期に厳しい親からの叱責ばかり受けていた、逆に親から放置されていたなど、愛着形成に失敗していると、自分の気持ちや欲求を正しくコントロールするのが難しくなります。「何かを盗む」という逸脱行為によって、一瞬だけ寂しさや不安を紛らわせる側面があるのです。
ストレス解消・自傷的行為としての万引き
実際に万引き依存の方の話を聞くと、「ストレスがピークに達したときに、なぜか万引きをしてしまう」という声がよくあります。これは、万引き行為が自傷行為に近い役割を果たしているとも考えられます。「本当は苦しいけれど、他に解消方法が見つからない」というとき、人は何らかの行動に逃げ込むことがあります。アルコールやギャンブル、盗撮、万引きなどがその“逃げ場”になっている方も少なくないのです。
「金銭目的」ではない万引きの実態
万引きは窃盗罪の一種ですから、当然物を盗む行為です。ところが、繰り返し万引きをする方の多くは「お金に困っている」わけではありません。商品を盗んだ後、結局使わずに捨ててしまう、あるいはすぐに消費するわけでもないのにため込んでいる、などのパターンも見受けられます。金銭的には余裕があるのに盗んでしまうのは、**物の価値よりも、行為そのものが「衝動のはけ口」**になっているからです。
4. 「非難せず、寄り添う」刑事弁護人のアプローチ
インタビューから読み解く弁護活動のポイント
今回ご紹介したインタビュー(鐘ケ江 啓司弁護士)を踏まえると、刑事弁護において特に大切にされているのは以下の点です。
- 依頼者を頭ごなしに責めない。
「なぜ万引きなんかしたのか?」と一方的に非難せず、「大変でしたね」「どんな気持ちだったのですか?」と本人の心情に寄り添う。 - 背景を丁寧に理解する。
本人がどんなストレスや孤独を抱えていたのか、幼少期の愛着問題はあるのかなどを徹底して聞き取り、「再犯防止」の観点からサポートする。 - 被害者の権利や感情も大切に扱う。
万引きの場合は被害者が店舗や企業になることが多いが、それでも「示談」や「被害弁償」を通じて誠実に対応しようと努める。 - 再犯防止のための専門家・治療機関との連携。
性依存症や他の依存症でも同様に、自己流だけでは限界がある場合は医療機関やカウンセリング、自助グループへの参加を勧める。
被害者や社会を無視するわけではない
「依頼者に寄り添う」というと、一部の方は「加害者ばかり擁護している」と感じるかもしれません。ですが、現代の刑事司法では、更生や再犯防止が社会全体の利益につながると考えられています。万引きを繰り返す方が刑罰だけで反省できないのであれば、適切な治療やサポートを提供しない限り、再び万引きをし、被害者がまた生まれてしまいます。
弁護士は被害者に対する示談交渉や賠償も行いつつ、本人の再犯防止策まで考えることで、「同じような事件を繰り返さない」ようにする。これが結果的に被害者・社会に対してもプラスになるのです。
本人の背景を丁寧に把握し、更生支援につなぐ
万引き癖の背景には、家族関係や愛着障害、精神的ストレス、経済的問題などが複合的に絡んでいることが多いです。弁護士は警察や検察と折衝しながら、本人の事情をしっかりと主張し、また示談交渉を進めるだけでなく、どのようにすれば再び万引きをしないようになれるかを一緒に考えていきます。
5. やめたいのにやめられない万引き癖:自力で取り組むための方法
実際に万引き依存に苦しむ方の中には、「誰にも知られずに、なんとか自力でやめたい」という方もいます。もちろん、専門家の助けを借りることが理想ですが、ここではまず一人でも始めやすい方法をご紹介します。
5-1. まずは本を読む(おすすめ書籍の活用)
今回紹介されていた書籍はどれも、万引き依存や習慣化した悪癖を断ち切るためのヒントが多く詰まっています。本を読むメリットは、「誰かに話さなくても、まず自分一人の空間で知識を得られる」という気軽さです。
おすすめの5冊(+α)
- 岡田尊司(監修)、松本耳子(漫画)
『マンガでわかる 愛着障害 自分を知り、幸せになるためのレッスン』- 愛着障害が万引きなどにどう影響するかをやさしく理解できる。
- 小早川明子著:平井愼二(監修)
『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』- 「条件反射制御法」の具体的な手順が詳しく書かれており、依存を断ち切る訓練に大いに役立つ。
- ニュー・サイエンティスト:ヘレン・トムスン著
『人生修復大全』- 第8章に“悪習を断ち切るための方法”がまとめられている。人生全般を「修復」する考え方が得られる。
- 樺沢紫苑著
『精神科医が教える ストレスフリー超大全』- 万引きの引き金となるストレスをどう解消していくか、実践的な手法が盛りだくさん。
- テレンス・ダリル・シュルマン著
『クレプトマニア・万引き嗜癖からの回復 “ただで失敬”してしまう人たちの理解と再犯防止エクササイズ』- 万引き依存の当事者だからこそ書ける具体的なアドバイスが詰まっており、共感できる部分が多い。
- 七海 仁(原作):月子(漫画)
『Shrink〜精神科医ヨワイ〜』(1〜3巻)- 第3巻に万引き依存症の方が回復していくエピソード。漫画なので読みやすく、ストーリーを通じて理解が深まる。
「買うのも恥ずかしい」という方は、ネット通販や電子書籍を活用してこっそり入手する方法もあります。もし信頼できる弁護士やカウンセラーがいるなら、彼らから受け取るという方法も考えられます。
5-2. 「認知行動療法(CBT)」や「条件反射制御法」の基本
認知行動療法(CBT)
- 何か行動をしてしまうとき、必ずその背後に“思考・認知”があるという考え方。
- 「どうせ自分はダメだから盗ってしまおう」「今日くらいはバレないかも」「このくらいなら大丈夫」などの思いが、一瞬でも頭をよぎる。
- その「認知」を意識化し、突っ込みを入れたり、距離を置いたりする訓練を行う。
条件反射制御法
- 衝動が起きた瞬間に、「いつもの悪癖」を発動させないよう、事前に“代替行動”を決めておく。
- 例:万引き衝動が湧いたら「すぐ店を出る」「深呼吸3回」「携帯で誰かに連絡」など。
- これを繰り返し練習し、習慣化すると「万引きしないルーティーン」が体に染みついていく。
5-3. ストレスマネジメントの具体策
万引き依存の方は、ストレスや孤独感が最大のきっかけになりがちです。そこで、普段からストレスをためない生活習慣を心がけましょう。
- 睡眠をしっかりとる
- 睡眠不足はイライラや衝動性を高めやすい。
- 適度な運動
- ウォーキングや軽いジョギングでもOK。
- 趣味やリラクゼーション
- マインドフルネス瞑想、ヨガ、音楽、DIYなど、没頭できる時間を作る。
- バランスの良い食事
- 血糖値の乱高下はメンタルに悪影響を及ぼしやすい。
- 小さな楽しみを常に準備しておく
- 「仕事帰りに好きなカフェでコーヒーを飲む」「週1回はお気に入りの映画を観る」など。
5-4. 日常で試せる「行動記録」と「リスク回避」
- 行動記録をつける
- いつ、どこで、どんな気持ちになったときに万引き衝動が湧いたかを書き留めておく。
- 冷静なときに振り返ると、自分の衝動パターンがわかる。
- リスク回避の行動を具体化
- ショッピングモールに長居しない、買い物はネット通販に切り替える、財布にあえて多めのお金を入れて「支払える」安心感を持つなど。
- 万引きが起きそうな状況をそもそも作らない。
5-5. 誰かに打ち明ける勇気を持つ(弁護士・カウンセラーなど)
「一人で何とか解決したい」と思う気持ちはわかりますが、万引き依存は**“孤立”が再犯リスクを高める**大きな要因のひとつです。もし以下のいずれかが当てはまるなら、できるだけ早めに専門家や身近な人への相談を検討しましょう。
- すでに警察から呼び出されており、法的処分が懸念される
- 何度も万引きを繰り返し、もう自分では止められないと感じる
- 家族や友人との関係も悪化してしまっている
専門家というと「カウンセリングや自助グループに行くのが怖い」と思うかもしれませんが、弁護士への相談という手段もあります。弁護士には守秘義務があるので、「事件になっていないが将来が不安」「既に警察に呼ばれているが、家族や職場にばれたくない」などの話もできます。
6. 弁護士への相談:法的な観点と更生支援
微罪処分・不起訴・示談交渉のリアル
万引き事件の場合、**「微罪処分」**で処理されることがありますが、これは警察の裁量で、事案が軽微と判断されたときなどに行われるものです。再犯を続ければ警察の対応が厳しくなり、やがて検察に送致され、起訴・裁判になるリスクが高まります。
- 示談交渉の重要性
万引き被害者がスーパーやコンビニなどの店舗の場合、示談を拒否されることもありますが、弁護士がきちんと謝罪文や再発防止策を提示することで示談に応じてもらえるケースも存在します。示談が成立すれば、不起訴処分(起訴猶予)につながる可能性が高まります。 - 不起訴処分でも「二度目」は難しくなる
一度不起訴になっても、再犯すれば当然処分が重くなる方向に進みます。初回でしっかり再発防止策を講じることが何より大事です。
取調べや余罪の供述について
「前にもやったことがあるが、言うべきか迷う」という方もいます。余罪を隠していて、後から発覚した場合、さらに罪が重くなる可能性があります。また、「いつまた警察から連絡が来るか分からない」という恐怖に苛まれる方もいます。弁護士からアドバイスを受け、「余罪をどの範囲まで話すのがベストか」検討することが重要です。
万引き事件での再犯防止策
- 公判や不起訴の段階で「カウンセリング受診」や「依存症治療」の取り組みを示す
検察や裁判所に「本人が本気で更生に取り組んでいる」と感じてもらえれば、処分が軽くなる可能性があります。 - 家族や職場の協力体制
弁護士を通じて家族に状況を説明し、協力を得ることで「万引きに走らない環境づくり」が可能になる場合もあります。
7. 「認知の歪み」をどう扱うか:責めるのではなく、客観視する
「認知の歪み」という言葉を聞くと、どうしても「歪んだ認知を修正しなきゃ」と考えがちです。しかし、歪んだ認知を頭ごなしに否定されると、当事者は「自分自身を否定された」と感じ、心を閉ざしてしまうリスクがあります。
研究や文献が示すCBTの注意点
- 「歪み」を単なる“悪”として扱わない
誰しも多少の認知の歪みは持っています。問題なのは、その歪みを自覚せず、自分や周囲を傷つける行動に繋げてしまうこと。 - 認知を客観視する練習
「私は今、“どうせ自分はダメだ”と思っているな」と気づくだけで、行動に移る前にブレーキがかかりやすくなる。
「あなたが悪いのではなく、認知が悪さをしている」
「歪んだ認知」は、たとえば「これくらいなら盗んでも許される」「自分はがんばっているのに報われないから仕方ない」といった形で現れます。こうした認知が、“あなた”という人間の本質とは限りません。一つの思考パターンが根を張ってしまっているだけなのです。
「自分はダメな人間だ」と思うのではなく、「今はこういう思考の癖があるんだな」と客観視するだけでも、次の一歩が踏み出しやすくなります。
8. インタビュー抜粋:刑事弁護への想い
ここで、鐘ケ江 啓司弁護士のインタビュー内容の一部を要約しながら、万引きや盗撮、その他の依存行為を起こす人への考え方を再確認してみましょう。
「子どものように罪悪感を抱える大人」への寄り添い方
- 非難しない・責めない
「なぜそんなことを?」ではなく、「大変でしたね」と受け止める。実際、万引きに走る方は内心とても苦しんでいる。 - 家族のダメージを和らげる
万引き事件は家族にも大きなショックを与える。家族の理解を得ながら、再犯防止策を一緒に検討することで、精神的負担を軽減できる。
再犯防止と家族のダメージの軽減
- 「本人が一度不起訴になっても再犯してしまう」ケースに直面したとき、弁護士としてはもっとサポートできたのではと後悔が残る。
- 適切な専門家やグループとのつながりを途切れさせないことが、再犯を防ぐカギ。
被害者との示談交渉のリアル
- 被害者がスーパーなど法人の場合でも、示談に応じてくれることはある。
- 被害弁償や再発防止策、本人の反省がどこまで誠実に伝わるかがポイント。
今後の展望と社会へのメッセージ
- 1件1件を丁寧に手がけることが大切。
- 法的手続だけでなく、本人の背景を一緒に振り返ることで、再犯を防ぎ、社会にとってもプラスになる解決を目指したい。
9. 万引き依存を断ち切るためのステップまとめ
最後に、万引き依存の克服に向けたポイントを整理しておきましょう。何から始めればいいかわからないという方は、以下を参考にしてみてください。
1. 自分を責めすぎない
「自分なんて最低だ」と自己否定すると、かえってストレスが高まり、万引きに走る原因になることも。問題はあくまで「万引き行為」や「認知の歪み」であって、あなた自身の存在が否定されるわけではありません。
2. 小さな成功体験を積む
- 「今日、買い物に行ったけれど万引きをしなかった」
- 「衝動が湧いたけれど、何とか踏みとどまった」
こうした小さな成功をしっかり記録し、自分を褒めてあげることで自己肯定感を少しずつ育てましょう。
3. サポートや専門家を上手に活用する
- まずは本を読むという形で知識を得る。
- 可能ならカウンセリングや自助グループに通う。恥ずかしくても、一歩を踏み出せば、同じ悩みを抱える人は案外多いと実感できます。
- 弁護士に相談して、法的リスクを最小限にしつつ、今後の生き直しのためのアドバイスを受ける。
10. 参考書籍・文献のご紹介
書籍一覧
- 岡田尊司(監修)、松本耳子(漫画):
『マンガでわかる 愛着障害 自分を知り、幸せになるためのレッスン』- 愛着障害について、ストーリー形式で学びやすい。
- 小早川明子著、平井愼二(監修):
『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』- 条件反射制御法の詳しい解説。
- ニュー・サイエンティスト:ヘレン・トムスン著:
『人生修復大全』- 人生全般を見直すきっかけとなるアプローチが満載。
- 樺沢紫苑著:
『精神科医が教える ストレスフリー超大全』- ストレス対策のバイブル的存在。
- テレンス・ダリル・シュルマン著:
『クレプトマニア・万引き嗜癖からの回復 “ただで失敬”してしまう人たちの理解と再犯防止エクササイズ』- 当事者の視点で書かれており、共感しやすい。
- 七海 仁(原作)、月子(漫画):
『Shrink〜精神科医ヨワイ〜(1〜3巻)』- 第3巻に万引き依存症のエピソード収録。漫画で読みやすい。
参考記事・インタビュー
- 鐘ケ江 啓司 弁護士インタビュー(抜粋)
- 刑事弁護への熱い想い、依頼者への「非難しない」姿勢が語られている。
- こころの科学2019年5月号
- 「認知行動療法 ~基本となる理論と実践上の工夫」(野村和孝)
- “認知の歪み”をどう扱うかのポイントが詳しく解説。
おわりに
本記事では、万引き依存に苦しむ方のために、「なぜ万引きをやめられないのか」「どうすれば再犯を防げるのか」「自力で取り組む方法はあるのか」といった疑問にお答えしてきました。
万引きは犯罪であり、被害者(店舗)が存在する以上、法的・社会的な責任が問われる行為です。しかし、やった本人が「二度とやりたくない」と願っても、一人きりで抜け出せない場合が多々あります。そこには、幼少期の愛着障害や社会的ストレス、孤独や自傷的な心理など、様々な要因が絡んでいる可能性があります。
「非難せず、寄り添う」——これは、刑事弁護の現場でも、依存症支援の領域でも、最も大切にされる姿勢のひとつです。加害行為を正当化するわけではなく、本人が自分自身の問題を直視し、やり直すための第一歩を踏み出しやすくするための重要な土台となるのです。
- まずは読書や記録、ストレス管理から始めてみる
- もし可能なら弁護士やカウンセラーに相談し、示談交渉や再犯防止策のサポートを受ける
- 家族や職場にも協力してもらえるなら、孤立を避けることが大事
これらのステップを通じて、あなたが少しでも生きやすく、安心して暮らせる未来を取り戻せるよう願っています。自分でできることに限界を感じたら、どうか一人で抱え込まず、専門家や信頼できる人を頼ってください。その一歩が、長い依存のトンネルから抜け出すための大きな転換点になるはずです。あなたは決して一人ではありません。きっと、あなたが「変わりたい」と思うその気持ちに、寄り添い、手を貸してくれる人がいます。どうか諦めず、焦らず、回復を目指してみてください。
文献紹介 愛甲修子「愛着障害はどうやったら治せるのか?」そだちの科学 no.33「愛着とその障害」 (2019年10月号)77-82頁(万引き、刑事弁護)