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薬院法律事務所

刑事弁護

一人で出来る、盗撮依存からの脱却方法(盗撮、刑事弁護)


2025年01月28日刑事弁護

私は、以前このような記事を作成しました。

刑事弁護人から見た、盗撮事件を起こす人の心理についての仮説(盗撮、刑事弁護)

盗撮行為を繰り返される方の大半は、どうすれば盗撮行為を止めることができるのか深刻に悩まれています。

 

インターネットで盗撮映像を販売するような職業的盗撮犯や、性行為中の姿を盗撮する人は、おそらくサイコパス気質なので悩んでいませんが、下着盗撮を繰り返す方については、むしろ真面目すぎる傾向があります。

 

下着盗撮を繰り返す方が、認知行動療法などで性加害者の「治療」をするというところに行ったものの、結局再発してしまったという相談も何度も聞いてきました。そういった方から話を訊くと、一つ特徴がありました。

 

私は、盗撮癖をなくすために効果がない「治療」の特徴は、治療にあたる人が、依頼者を「否定」していることだと思っています。依頼者本人が一番苦しいのに、たまたま「盗撮癖がない」というだけの人が上から「指導」する形になってしまっているからではないかと感じています。私は、まずは本人自身を丸ごと認めて、共感することから盗撮癖の回復は始まると思っています。

 

依頼者の人生を仔細に辿ると、むしろあまりにも周囲の顔色に敏感で、周囲に奉仕させられ過ぎているのですが…無神経な人は「私は盗撮はしていない。あなたは盗撮をした」の一点だけであたかも自身が人間として優位な存在であるかのように振る舞うのです。そんな人からの押し付けがもたらす再犯予防効果は知れたものです。

 

私は、認知行動療法は不同意性交事件などの暴力的犯罪の依頼者については効果がありますが、真面目すぎて周囲に過剰適応している傾向が強い下着盗撮癖の依頼者を責め立てても、ストレスを高めるだけで、再発の危険性を高める行為だと思っています。

 

といった私の考えを前提に、chatGPT o1 proの文章を加除訂正する形で、一人で出来る、盗撮依存からの脱却方法の記事を作成しました。

 

また、私は、弁護士に相談して自分の悩みを話すということも一つの手段だと思っています。自分の気持ちを言語化することはとても大事です。弁護士は守秘義務がありますので、警察に通報するということはないです。私も、「現在具体的に事件となっているわけではないけれども、発覚するか不安なので相談したい。」といった相談を受けることがあります(有料相談になります)。

 

以下の記事は、盗撮行為をやめたいと悩む方々に向けた「自分自身でできる依存症の治療の指針」をまとめたものです。
「性犯罪をしてしまう自分は悪だ」と責めるのではなく、まずはご本人自身の苦しみを丸ごと認めることを大切にした内容となっています。専門家による診断や治療の代わりではありませんが、少しでもあなたの回復のヒントになれば幸いです。


はじめに:否定しないアプローチが大切

「盗撮」という行為が法的にも社会的にも問題を起こすものであることは間違いありません。しかし、実際に盗撮行為に駆り立てられる人の多くは、「なぜやめられないのか」「自分でも理解できないけれど、苦しい」と深刻に悩んでいます。
ところが、一部の治療プログラムや認知行動療法であっても、本人の苦しみに寄り添う前に、過度に“否定”の姿勢をとってしまうと、かえってストレスを高め、再発を招きやすくなる可能性があります。

暴力性が強い性犯罪と「盗撮」では背景が異なることが多い

  • 不同意性交事件や強制わいせつなどの暴力的性犯罪では、被害者を傷つける行為を正当化する「認知のゆがみ」や反社会的態度が強い場合があります。認知行動療法による考え方の修正が効果的になることがあります。
  • **盗撮行為(とくに下着盗撮・着替え盗撮など)**では、必ずしも暴力的であるとは限らず、「真面目すぎる・過剰に周囲へ適応しがち」な性格傾向が強い方や、女性に対する恐怖心(心理的距離の取りづらさ)を抱える方が多いのです。
    こうした方々を、頭ごなしに「間違った認知を修正しましょう」と責め立てると、自尊心がますます傷つき、孤立し、結果としてストレスが高まってしまう恐れがあります。

1. まずは「アクセル」と「ブレーキ」を知る

ブレーキ(理性的な抑止力)

  • 「盗撮は犯罪だから、やってはいけない」
  • 「周囲に知られたら大変なことになる」
  • 「人として道徳的に間違っている」

多くの方は、こうした“ブレーキ”の自覚はすでに十分もっています。しかし、このブレーキだけでは、強いストレスや孤独感、不安などがかかった瞬間に抑えきれなくなることがあります。

アクセル(なぜ盗撮に駆り立てられるか)

  • 「自分の欲求を満たす唯一の方法になっている」
  • 「女性に対する恐怖心があるが、盗撮なら“目を合わせずに”興奮を得られる」
  • 「禁止されていることをするスリルや、自傷行為的な解放感がある」
  • 「幼少期や過去の愛着の問題で、抑圧された欲求がある」

「なぜ盗撮に向かってしまうのか」を丁寧に探ることで、再発防止策を組み立てるヒントが見えてきます。


2. 自分を否定せず、背景を理解する

愛着障害や育った環境の影響

  • 幼少期に親からの過干渉や厳しすぎるしつけを受け、「いい子」でいることを強いられ、感情を抑え込んでいたかもしれません。
  • その結果、女性に対する「支配・被支配」や「評価されること」の恐怖が強くなっている可能性があります。

「自分はこう感じてもいいのだ」と認める

  • 自分が感じている恐怖、不安、孤独、性的興奮などを「そんなことを感じる自分は悪い」と切り捨てず、「どうして感じるのだろう?」とまず受け止めてみる。
  • 自分の気持ちを認められるようになると、ストレスの蓄積が和らぎ、「盗撮をしなくても大丈夫な自分」へ近づくことができます。

3. 行動面の工夫:条件反射制御法など

条件反射制御法とは

「やめたいのにやめられない」悪習慣を断ち切るために、衝動が起きた瞬間に自分の行動パターンを変える方法です。

  1. 衝動が起こりやすい状況を把握する
    • 通勤・通学途中、商業施設、特定のSNSや動画サイトを見るときなど。
  2. 具体的な“対処行動”を事前に決めておく
    • 目を閉じて深呼吸3回する、すぐにその場を離れる、誰かに連絡を取るなど。
  3. 実行→記録→振り返り
    • 成功・失敗の要因を振り返り、どうすれば衝動を更に弱められるか考える。

ストレス解消手段を増やす

  • 軽い運動やストレッチ、ウォーキング
  • 趣味・創作活動で気分転換
  • 友人や信頼できる人との雑談でリフレッシュ
  • 適切な睡眠・食事

盗撮に代わる“健康的な欲求の満たし方”を見つけていくと、衝動を受け流しやすくなります。


4. 再発しないために:「対話」と「理解」がカギ

依存症を乗り越えるには「一人で抱え込まない」

  • 自分の内面を言葉にする練習:日記やメモに「今日の気持ち」「衝動の強さ」「そのときの状況」を書きとめる。
  • 信頼できる家族や友人がいれば、苦しい気持ちを少しずつ打ち明けてみる。
  • カウンセリングや専門医療機関も選択肢。ただし、治療者のアプローチや相性が合わない場合は無理せず別の専門家を検討するのも大切です。

弁護士への相談も一つの手段

  • 盗撮行為が発覚している、あるいは発覚を恐れて不安が高まっている場合、弁護士に相談するという方法もあります。
  • 弁護士には守秘義務がありますので、「現在具体的に事件となっているわけではないが、発覚が怖い」「再発防止策を考えたい」といった内容でも、安心して話すことができます(有料相談)。
  • 自分の気持ちを整理し、言語化することそのものが、再発防止に役立ちます。

5. 否定されるとどうなるか

「否定」や「責める」アプローチのリスク

  • 自己否定感がさらに強まり、「自分なんてダメな人間だから変われない」とあきらめに陥りやすい。
  • ストレスが高まることで、むしろ衝動が強化され、再発リスクが上がる。
  • 「ここでは本音を言えない」という心理が働き、治療者にも本音を隠してしまい、結局何も変わらない。

「受容」と「共感」から始める

  • 「苦しいのにやめられない状況は、どんな気持ちなのか」
  • 「なぜそこまで追い詰められてしまうのか」
  • まずは本人の痛みや不安を、そのまま受け止めることが、行動変容のきっかけを作ります。

6. まとめ:あなたが「変わりたい」と思う気持ちを大切に

  1. 自分を責めすぎない
    • 盗撮行為は現代の日本社会においては犯罪とされる行為ですが、あなた自身が「苦しんでいる」という点は否定されるものではありません。
  2. 「アクセル」の正体を探る
    • 盗撮行為をやめられない背景には、ストレス、孤独、愛着の問題、恐怖心などが複雑に絡んでいることが多い。
  3. 条件反射制御法などで行動を変えてみる
    • 衝動が起きたときの具体的な対処を準備し、試行錯誤してみる。
  4. 否定しない専門家や周囲に頼る
    • 必要に応じて医療機関、カウンセラー、弁護士などの手を借りる。アプローチや相性が合わなければ、別の選択肢を探す。
  5. ストレスケアは継続的に
    • 生活習慣や趣味などでストレスをため込まない工夫を続ける。

再発防止は一朝一夕には進まないことが多いです。でも、あなたが「やめたい」と感じ、行動を起こそうとしていること自体がとても大切な第一歩です。ぜひ自分自身を大切にしながら、少しずつ取り組んでみてください。


参考図書

  • 岡田尊司(監修):松本耳子(漫画)『マンガでわかる 愛着障害』(光文社)
  • 小早川明子『やめたいのにやめられない 悪い習慣をやめる技術』(フォレスト出版)
  • ニュー・サイエンティスト:ヘレン・トムスン『人生修復大全』(サンマーク出版)
  • 樺沢紫苑『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。深刻な状況にある方や、自力での改善が難しいと感じる場合は、専門家への相談を強くおすすめします。 弁護士に相談することで、法的リスクや不安な気持ちを整理し、守秘義務の下で安全に気持ちを吐き出すことも有効な手段の一つです。あなたが少しでも生きやすくなるよう、そして盗撮行為から卒業できるよう、応援しています。

書籍紹介 原田隆之編著『公認心理師ベーシック講座 司法・犯罪心理学』(万引き、盗撮、刑事弁護)