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薬院法律事務所

刑事弁護

万引きでの保護観察付執行猶予中に、再度の万引きをしてしまったという相談(万引き、刑事弁護)


2024年12月04日刑事弁護

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私は、福岡市に住む40代の専業主婦です。万引き依存症で、保護観察付の執行猶予判決を受けていたのですが、執行猶予期間中に再度万引きをしてしまいました。逮捕はされなかったのですが、どの弁護士さんに相談をしても、「刑務所に行くのは間違いない」といわれてしまい、途方にくれています。まだ小学生の子どもがいるので、刑務所だけは行きたくないのですが、どうにかならないでしょうか。

 

A、基本的には、実刑見込みの事案です。ただ、罰金や起訴猶予処分で終わる可能性が皆無とまではいえません。どれだけ良い情状を積み重ねられるかが一つのポイントになるでしょう。

 

【解説】

 

状況としては非常に厳しいです。ただ、下記参考文献や、私の解決事例にあるように、100%起訴されて実刑になるとまではいえません。可能性が低いことを十分に認識した上で、どれだけ良い情状を積み重ねられるか、検察官の判断を不起訴や罰金方向に促せるかが大事になるでしょう。万引き問題に詳しい弁護士へのご依頼をお勧めします。

 

刑法

https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045#Mp-Pa_1-Ch_4

(刑の全部の執行猶予)
第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。
(刑の全部の執行猶予中の保護観察)
第二十五条の二 前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ、同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
2前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
3前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、前条第二項ただし書及び第二十六条の二第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。

 

【参考文献】

 

岡本裕明「刑事弁護レポート 窃盗被疑事件 クレプトマニアを患った保護観察中の被疑者による再犯で不起訴処分を得た事例」季刊刑事弁護77号(2014年春号)98-101頁

98頁

【母親によると、Aさんには万引きの前歴が2回、前科がl犯あるとのことだった。前科の内容は、コンビニから食品数点を万引きしたという窃盗罪であり、本件犯行の約1年3カ月前に、懲役2年執行猶予3年保護観察付の判決を言い渡されていた。つまり、起訴されれば例外なく実刑判決となり、前刑の執行猶予が取り消されて本件と併せて刑務所に服役することとなる事例であった。】

http://www.genjin.jp/book/b276501.html

 

万引き事件弁護要領(在宅事件)

【解決事例】服役前科ありの窃盗癖(クレプトマニア)の再犯で、不起訴にできないかという相談