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薬院法律事務所

刑事弁護

加藤隆義「交通捜査のあれこれ 第5回自転車による事故における重過失の考え方」捜査研究2023年10月号(877号)


2024年01月24日刑事弁護

加藤隆義(神奈川県警察交通部交通捜査課伝承官(元検察官副検事))「交通捜杳のあれこれ 第5回自転車による事故における重過失の考え方」捜査研究2023年10月号(877号)に自転車事故での過失致死と重過失致死の区別について私見が書かれていました。警察、検察官宛の意見書を作成するときに参考になると思います。

 

【平たくいってしまえば、定型的に結果発生の危険性が極めて高いので、行為自体がいけない(前記赤・黄色信号無視・看過、無灯火、一停無視等々)、「してはならない」差し控えなくてはいけなかった事案の場合は重過失、そうでない、行為自体「してはならない」わけではなく、行為をするうえで安全確認を怠った事案の場合は単純過失というのが、区分けが比較的明確であり、判断の拠り所にはなるのではないかと思います。】

https://www.tokyo-horei.co.jp/magazine/sousakenkyu/202310/

※刑法

(過失傷害)
第二百九条 過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(過失致死)
第二百十条 過失により人を死亡させた者は、五十万円以下の罰金に処する。
(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

https://yakuin-lawoffice.com/wp-admin/post-new.php

 

なお、この論点については、福嶋斉「自転車事故-過失傷害と重過失傷害の分かれ道」(警察公論2018年3月号)が高裁判例を複数掲載しており参考になります。