大学生の息子が大麻所持罪で通常逮捕された時の家族がとるべき行動(大麻、刑事弁護)
2025年01月30日刑事弁護
chatGPT o1 proに下書きを作成してもらいました。
<はじめに/重要な注意事項>
まず前提として、本回答は一般的な法律情報や考え方に基づくものであり、筆者は弁護士ではありません。本回答はあくまで参考資料であって、実際のケースに適用する際には必ず弁護士その他の専門家に相談し、最終的な判断を行ってください。また、本回答は日本の法律や司法手続を前提としており、最新の法改正や運用をすべて網羅しているわけではありません。実際の事案によっては結果が異なる場合もあり得ます。特に日本の大麻取締法においては厳重な取り扱いがなされる傾向がありますので、慎重な対応が不可欠です。
以下では、会社員の父、専業主婦の母、大学生の息子(21歳)が大麻所持罪で令状逮捕された場合を想定し、「大学生の息子が退学処分を受けたり、前科がついたりしないために、両親がどう行動すべきか」という観点から、(1) 弁護士選びのやり方、(2) 警察への対応、(3) 学校への連絡の三点について、できるだけ詳しく解説します。加えて、捜査や学校の処分がどのように進行するかについての全体像や注意すべきポイントも織り交ぜて総合的に説明します。文量が多くなりますが、少しでも参考になれば幸いです。
第1章:大麻所持で逮捕された場合の基本的な流れ
1-1. 逮捕から起訴までの一般的な流れ
大麻取締法違反(所持)で逮捕された場合、まずは警察による逮捕が行われます。逮捕から48時間以内に検察官へ送致され、検察官は送致を受けてから24時間以内に勾留請求をするかどうかを判断します。もし勾留請求が認められれば、裁判所の判断で最長で10日間、さらに延長されれば最大20日間の勾留が可能となります。
この逮捕・勾留期間中に警察や検察は取り調べを行い、証拠を集めます。その結果、検察官は**起訴(公訴提起)**するか、不起訴処分にするか、もしくは略式起訴(簡易裁判所での略式手続)などを含め最終決定を下します。
大麻取締法違反では、事案の内容(所持量、態様、常習性、前科の有無など)によっては、起訴猶予や不起訴になる可能性がないとはいえませんが、比較的厳しく扱われる傾向もあります。したがって、勾留段階から弁護士を通じて早期に適切な対応を図ることが重要です。
1-2. 罰則と前科のリスク
大麻取締法違反(所持)の法定刑は「7年以下の懲役」と定められています。初犯の場合、執行猶予付き判決が下されることも多いですが、営利目的所持とされれば実刑の可能性もゼロではありません。また、有罪判決が出れば、たとえ執行猶予付きでも前科がつきます。
前科が付くと、その後の就職活動や社会生活に一定の影響が生じることは否めません。また、大学在学中に有罪判決が確定すれば、大学によっては退学処分や停学処分となる場合があります。つまり、家族としては起訴されるかどうか、あるいは起訴されても判決がどうなるかが非常に大きな問題です。
1-3. 学校処分のリスク
大学の場合、在学生が犯罪で起訴され、有罪判決が確定したという事実があれば、大学の就業規則(学生の懲戒規程など)に基づき懲戒処分を行うことがあります。これは**「刑事処分とは別に大学が独自に判断する懲戒」**です。大学には大学独自の秩序維持のために懲戒を行う権限がありますので、必ずしも判決の内容の重さに連動しないケースもあります。
一方、もし起訴されずに不起訴処分になった場合でも、逮捕や勾留といった事実が大学側に把握されれば、大学当局の判断により「何らかの指導」や「退学以外の懲戒処分」がなされる可能性もあります。しかし、実際には不起訴となった場合には処分を見送る、あるいは処分を軽減する大学も多いと言われています。
第2章:両親がまず心掛けるべき基本姿勢
2-1. 冷静な情報収集と弁護士への迅速な相談
逮捕という突発的かつ重大な事態に直面すると、家族は大きな不安やパニックに陥りがちです。しかし、事実を的確に把握し、状況に応じた最善策をとるためには、まず冷静に情報収集を行うことが必要です。どのような容疑内容なのか、逮捕の経緯、所持していたとされる大麻の量や場所、本人の供述状況など、可能な範囲で事実関係を把握しましょう。逮捕直後は家族が面会することはできませんし、接見禁止がつくこともありますので、まずは「当番弁護士」を依頼することが大事です。無料で1回接見してくれます。
その上で、できるだけ早期に弁護士を選任し、相談することが不可欠です。大学生の息子さんが未だ勾留中であれば、弁護士が接見(面会)を通じて息子さんの状況を把握し、警察や検察の取り調べへの対応方針をアドバイスしてくれます。また、不起訴を目指すうえでも弁護士の活動が重要です。
2-2. 息子さんとのコミュニケーション
逮捕後、息子さんが勾留されている場合には、家族と直接会えない期間が続く可能性があります。接見が許可される場合には、禁止事項を守りながら息子さんを励ますことや、反省と再発防止の意思を明確に示すよう促すことも重要です。大学生とはいえ、未成年ではなく21歳ですが、心身ともにまだ未熟な部分があるかもしれません。精神的に不安定になっていることも考えられ、家族のサポートは大きいです。
ただし、取調べで何を話すかといった捜査協力の内容を家族が詳しく指示するのは避けましょう。取り調べの受け答えは、弁護士との打ち合わせを優先させることが重要です。家族としては「嘘をつくな」「正直に全部しゃべれ」といった雑駁な指示をするよりも、まずは「弁護士さんに相談し、適切に対応することが大事」という姿勢を伝えたほうが望ましいです。
2-3. 感情的・対立的な行動の回避
家族としては怒りや悲しみ、失望など様々な感情に駆られるかもしれませんが、感情にまかせた対立的な行動を取ることは逆効果です。たとえば、逮捕時点で警察官に対して激しい感情をぶつけたり、学校に抗議しようとしたりしても、結果的に息子さんの状況を悪化させる可能性があります。
弁護士や専門家のアドバイスを受けながら、どう行動すべきかを冷静に判断する必要があります。特に、捜査機関に対する不満を感情的にぶつけることは避けてください。捜査機関としては、法やルールに則って動いている以上、家族の感情的な言動は考慮されないことが多く、逆に「反省がない」と見なされかねないリスクもあります。
第3章:弁護士選びのやり方
3-1. 早期に弁護士を選任する重要性
大麻所持の容疑であっても、初期段階の取り調べ対応が不適切だと、容疑を強める証拠が揃えられたり、本人の供述が不利になったりする可能性があります。早期に弁護士が動けば、勾留請求阻止や勾留延長阻止、不起訴処分の獲得に向けて活動できるかもしれません。
また、大学側への説明や、反省・再発防止策の具体化、示談が可能なケースでは示談交渉など、弁護士がサポートできることは多岐にわたります。「弁護士費用が高いから」と後回しにするのは、長期的には不利になる可能性が高いです。特に大麻取締法に関しては、世間的な厳しい目や行政・司法の厳格な対応があるため、安易に自己判断で済ませるのは極めてリスクが高いです。
3-2. 選ぶべき弁護士の特徴
(1) 刑事事件に注力している弁護士か
刑事事件に力を入れている弁護士は、警察・検察との交渉や裁判所の判断基準などに精通しており、実践的なアドバイスを行いやすいです。また、大麻や薬物関連事件に特化している、あるいは薬物事件の経験が豊富な弁護士であれば、より心強いでしょう。
弁護士の事務所サイトや日弁連の検索システムなどで**「刑事事件に力を入れているか」**を確認するのが一つの目安です。
(2) 迅速な対応・コミュニケーション能力
逮捕直後はスピードが命です。逮捕された翌日、翌々日には勾留請求や勾留却下の判断がされます。そのタイミングでどれだけ弁護士が素早く接見し、裁判所や検察に対して必要な意見書や資料を用意できるかが重要となります。
また、家族が不安を抱えている中で、丁寧に状況を説明してくれ、連絡や報告がスムーズである弁護士は安心できます。弁護士とのコミュニケーションに不安を感じる場合は、別の弁護士を検討することも必要です。
(3) 費用面の確認
刑事事件においては、相談料・着手金・報酬金などの費用がかかります。依頼する弁護士によって料金体系は様々ですから、見積りをしっかり確認し、納得した上で依頼してください。大麻事件は比較的軽微な事件から重大事件まで幅があり、それによっても費用は変動します。事前に説明をきちんと受け、書面で契約内容を交わすことが大切です。
(4) 国選弁護人制度の利用
もし勾留が決定され、経済的に弁護士費用の負担が難しい場合、国選弁護人を選任することも可能です。ただし、国選弁護人は「一定の条件を満たした場合」に利用できる制度であり、自由に弁護士を選べるとは限りません。国選弁護人でも優秀な弁護士が来る場合もあれば、経験の浅い弁護士が来る場合もあります。早期に私選弁護士を依頼できるならば、そちらのほうが柔軟かつ迅速に動いてくれることが多いです。
3-3. 弁護士探しの具体的なステップ
- 法律事務所・弁護士会のHPをチェック: インターネットで「刑事事件 弁護士 ○○(地名)」などのキーワードで検索し、いくつかの法律事務所をリストアップします。
- 複数の法律事務所に問い合わせ・相談予約: 電話やメールで問い合せます。息子さんが大麻所持で逮捕された状況を簡単に伝え、速やかに接見に行ってもらいましょう。
- 面談・相談: 弁護士と協議し、事件の概要や家族の希望を伝えます。その上で、弁護士がどのように対応してくれるのか、費用はどれくらいかかるのかを確認します。
- 依頼・委任契約: 複数の弁護士と協議して比較検討し、納得できたら正式に依頼契約を結びます。着手金や報酬の支払い方法、追加費用の有無などを確認し、疑問点は必ず事前にクリアにしましょう。
第4章:警察への対応
4-1. 取り調べの基本的な流れ
警察や検察の取り調べは、容疑者本人である息子さんが受けるものです。両親が直接取り調べを受けるわけではありませんが、息子さんが逮捕後にどういう状況に置かれ、どのように対応すべきかを把握しておくことは重要です。
取り調べでは、所持していた大麻の入手経路、所持目的、使用状況などについて詳しく聞かれます。また、息子さんの反省度合いや再犯防止策の有無なども、捜査側の評価に影響します。大麻は比較的入手ルートや仲間関係が重視される事件ですから、警察としては背後関係(売人や仲間)を洗い出すための取り調べを行うことが多いです。
4-2. 家族として気を付けるポイント
(1) 息子さんに「黙秘権がある」ことを認識させる
取り調べでは、黙秘権が認められていますが、日本では黙秘を行うと「心証が悪くなるのではないか」と不安に思う人が多いのが実情です。しかし、供述が後々不利に使われる場合もあり、状況によっては慎重に黙秘権を行使したほうが良いケースもあります。
ただし、やみくもに黙秘するのが良いわけではありません。弁護士のアドバイスが重要です。取り調べ中の息子さんが弁護士と十分に相談し、発言内容をよく検討できるようにしてあげてください。
(2) 自白強要や違法な取り調べに注意
日本では近年、取り調べの録音録画が進みつつありますが、まだ完全ではありません。大麻所持罪であれば裁判員裁判対象事件ではないので、録音録画は原則としてなされません。警察が強引な取り調べをしたり、威圧的に供述を引き出そうとするケースもないとは言い切れません。もし息子さんがそのような扱いを受けていると感じた場合、弁護士に必ず伝えるように促してください。弁護士を通じて、取り調べの方法に問題がないかをチェックしてもらうことができます。
(3) 家族が警察に問い合わせる場合の注意
息子さんの勾留状況や面会の可否などを知るために、警察に問い合わせる場合がありますが、供述内容や捜査状況について警察が家族に詳細を明かすことは基本的にありません。また、取り調べ方法に関してクレームを直接言っても、通らないことがほとんどです。
むしろ家族としては、弁護士を通じて情報を得ることが最も確実かつリスクが少ない方法となります。
4-3. 不起訴・執行猶予を獲得するために家族ができること
警察対応だけでなく、最終的には検察や裁判所の判断が重要です。そのために家族ができることとしては:
- 反省文や誓約書を整備する: 息子さんの反省の気持ちや再犯防止への具体的取り組み(薬物依存が疑われるなら医療機関やカウンセリングの受診を検討するなど)を文書化しておく。
- 身元引受書や情状証人: 親として、息子さんを厳しく監督する旨の「身元引受書」を用意したり、裁判になった場合の情状証人になる準備をしておく。
- 家族の監督体制の整備: 大学寮や一人暮らしの場合、再発防止のために実家に戻す、あるいは家族が頻繁に様子をチェックするなど、具体策を検討し、捜査機関や裁判所にアピールできるようにする。
いずれも弁護士の助言を踏まえ、書式やタイミングを検討することが大切です。
第5章:学校への連絡
5-1. 学校に連絡すべきタイミングと注意点
大学生の息子さんが逮捕された場合、事実が大学に伝わるかどうかは状況により異なります。新聞報道や警察発表を通じて大学に情報が伝わることもあれば、本人や家族が自主的に報告する場合もあります。いずれにしても、逮捕の事実が長期にわたり大学に隠せる可能性は低いと考えるのが一般的でしょう。
- 逮捕直後に大学から問い合わせがある場合: 息子さんが欠席を続けていることで不審に思ったゼミの教授や学事担当者が連絡をしてくるかもしれません。
- 不起訴や保釈などで一時的に大学に戻る場合: 大学側が事件を把握していれば、懲戒の可能性を含めて何らかの聞き取りを行う場合があります。
大学にどう報告するかは難しい問題で、不用意に「何も言わない」でいると、後から発覚した際の心証が悪くなる可能性もあります。一方で、まだ捜査途中であり、事実関係が確定していない段階で詳細を話すことが逆に不利になる場合もあります。基本的には弁護士と相談のうえで報告内容やタイミングを検討するのが望ましいです。
5-2. 大学の処分や対応の実例
大学が学生の犯罪行為を把握した際に取り得る対応には、以下のようなものがあります。
- 自主退学の勧告: 大学側が懲戒処分を行う前に、学生本人に自主退学を促す場合があります。大学としては「大麻事件を起こした学生を在籍させることが他の学生への示しがつかない」という判断をすることがあります。
- 懲戒処分(退学、停学など): 大学の規定によっては、起訴された段階、あるいは有罪判決が確定した段階で退学処分や長期停学が行われることがあります。
- 非公式の指導・謹慎: 事件の内容や情状を踏まえ、大学が内々に「謹慎扱い」や「面談指導のみ」で済ませる場合もあります。特に不起訴になった場合や微罪処分となった場合は、大学が穏便に処理するケースもあるようです。
5-3. 学校へのアプローチと家族の役割
(1) 弁護士同席のもとで説明する
家族だけで大学に行き、感情的に訴えるのは得策ではありません。大学にも懲戒委員会などの内部手続があり、その進行を尊重する必要があります。弁護士に相談したうえで、大学の学生課や学務課、指導教官らと面談をするのが望ましいです。可能であれば、弁護士が同席して事実関係を適切に説明し、学生の将来のために処分を軽減できないかを交渉することも考えられます。
(2) 息子さん本人の謝罪・反省
大学としては、本人の反省の度合いや再発防止策を重視します。もちろん犯罪行為自体が重大ですが、初犯の場合は「何とか更生してほしい」と考える教員も存在します。そのため、大学側に対しては息子さん本人の真摯な反省文や口頭での謝罪表明が効果を持つことがあります。両親が「二度とこのようなことが起こらないよう厳重に監督する」ことを明確に伝えるのも重要です。
(3) 退学処分を避けるための要素
- 不起訴・執行猶予付き判決: 有罪が確定していないこと、または執行猶予が付与され社会復帰の可能性が高いことは、大学が処分を軽減する根拠になる場合があります。
- 大学でのこれまでの実績: 息子さんが学業や課外活動において真面目に取り組んできた履歴があれば、それを示すことで情状を酌んでもらえる可能性があります。
- 再発防止策の具体性: カウンセリング受診や親元での生活、周囲のサポート体制など、「再び大麻に手を染めない環境づくり」を示すことで大学としても「猶予を与えてもよい」と判断する場合があります。
第6章:より詳しい対策と手続のポイント
6-1. 大学とのやり取りにおける注意点
- 刑事事件の事実認定が基礎になることを理解する
大学側には事実調査能力がないため、基本的には刑事事件における事実認定を基礎として判断することになります。処分を軽くするためには刑事事件において厳密な事実認定を求める子とが大事です。 - 大学の規程を確認する
大学の学生生活ハンドブックやウェブサイトには、何らかの形で「懲戒処分の規程」が記載されているはずです。処分事由や手続きが明文化されている場合が多いので、どのタイミングでどういう処分があり得るかを把握しておきましょう。 - 面談には冷静な態度で臨む
教務課や学生課、教授との面談時に、感情的・攻撃的にならないことが大切です。あくまでも「息子の非を認め、反省し、処分を軽減してもらえないか相談する」というスタンスが望ましいです。
6-2. 家族が講じられる社会的バックアップ
- 保釈金の用意
起訴後に保釈申請が通れば、保釈金を納付して息子さんを保釈することができます。保釈中であれば大学にも通える可能性があります。勾留が長引けば大学の欠席が増え、退学リスクも高まるので、家族が保釈金を用意できるかは重要な検討事項です。 - 再発防止策としての通院・カウンセリング
覚醒剤等と比べると依存症リスクは低いとはいえ、薬物依存について不安があるなら、心療内科・精神科などを受診することを検討しましょう。**「息子が二度と薬物に手を出さないために家族として取り組んでいる」**という姿勢が明確になれば、捜査機関や大学の処分判断にもプラスに働く可能性があります。 - 就職活動への影響緩和
もし前科がついた場合、就職に影響が出る可能性があります。大学卒業後の進路を考えると、家族としてはできる限り前科を回避したいところです。早期の不起訴獲得が最良ですが、難しい場合は執行猶予つきの判決を目指し、その後の社会復帰を円滑にするために就職支援等について大学のキャリアセンターに相談することも選択肢です。
6-3. 初犯・少量所持の場合の見通し
大麻所持が初犯で、かつ所持量がごくわずか(個人使用目的とみなされる程度)であり、反省や再発防止策がしっかりしている場合、不起訴処分(嫌疑不十分または起訴猶予)が得られる可能性も一定数あります。
また、起訴されても執行猶予付き判決になる場合も少なくありません。
もっとも、大麻事件に対する社会や司法の目は依然として厳しく、また大学の方針も「薬物事案は厳罰」傾向があります。したがって、初犯だからといって安易に楽観せず、できる限り早く弁護士と連携し、捜査段階から反省と再発防止を示す努力が必要です。
第7章:まとめ・ステップごとの行動指針
ここまで述べた内容を整理し、両親が取るべき行動をステップごとにまとめます。
ステップ1:逮捕直後の対応
- 冷静な情報収集
- 逮捕容疑、逮捕された日時、息子さんの現在の勾留場所を把握する。
- 警察から連絡がある場合は、事実確認を丁寧に行い、無用な感情的対立を避ける。
- 弁護士への連絡・相談
- 刑事事件に強い弁護士をインターネットや弁護士会を通じて探し、問い合わせ・相談予約を行う。
- 可能であれば複数の事務所に相談し、費用や方針を比較検討する。
- 息子さんへの声掛け・精神的サポート
- 面会が許可されれば(差し入れ品も含め)息子さんを励まし、反省を促す。
- ただし、供述内容については「弁護士に相談して慎重に答えて」と伝える程度にとどめ、詳しい指示はしない。
ステップ2:勾留中~起訴・不起訴判断の時期
- 弁護士との連携を密にする
- 弁護士がどのような方針で捜査機関と交渉するかを把握し、必要な書類作成(反省文、身元引受書など)を行う。
- 家族として法廷や検察対応に協力できる点を確認する(情状証人の準備など)。
- 学校との連絡方法・タイミングを弁護士と相談
- 大学から問い合わせがあれば、弁護士に状況を相談しながら対応する。
- 大学への報告が必要と判断された場合は、どこまで詳細を伝えるかを事前に打ち合わせておく。
- 再発防止策の準備
- 家族として「監督体制の強化」「通院・カウンセリング受診の検討」など、具体的な再発防止策を用意する。
- これらを捜査機関や大学に対して示すことで、情状にプラスに働く可能性がある。
ステップ3:起訴後~裁判・大学処分への対応
- 保釈申請
- 起訴後も勾留が続く場合、保釈を検討する。家族が保釈金を用意できるように段取りを取る。
- 保釈が認められれば大学に通うことが可能になるので、少しでも欠席日数を減らす努力ができる。
- 裁判(公判)での情状立証
- 息子さんの反省・家族の監督体制・再発防止策などを裁判でアピールする。
- 家族の意見陳述や情状証人として出廷する場合は、弁護士と事前に十分打ち合わせを行う。
- 大学との懲戒手続
- 大学からの事情聴取や懲戒委員会などにおいて、息子さん本人の謝罪と再発防止策をしっかり伝える。
- 場合によっては弁護士が同席し、処分の軽減を求める。
ステップ4:判決後~アフターケア
- 不起訴または執行猶予付き判決などが確定
- 不起訴であれば前科がつかずに済むが、大学が独自の調査をすることもあるため、注意して対応する。
- 執行猶予付き判決の場合は、保護観察や生活指導を受ける場合があり、家族としても気を引き締めてサポートする。
- 大学での学業継続・就職活動
- 懲戒処分が軽減され、大学に在籍を続けられるようであれば、息子さんが再起しやすいよう家族も協力する。
- 就職活動への影響を最小限にするため、キャリアセンターや就職課とも連携する。
- 再発防止のモニタリング
- 定期的に息子さんの行動をチェックし、薬物への誘惑を断つ環境づくりを続ける。
- 必要に応じてカウンセリングを継続し、本人が孤立しないように注意する。
第8章:よくある質問と回答
Q1. 「家族が警察に対して釈放を嘆願する手紙を出せば、有利になるか?」
A. 嘆願書や上申書といった形で「家族として監督するので早期の釈放を願う」という意見を出すことはありますが、それだけで勾留の必要性が否定されることは少ないです。勾留決定や保釈の判断は、証拠隠滅や逃亡の恐れなどを基準に裁判所が行います。必要ならば弁護士の指導のもと、きちんとした書式で提出するようにしましょう。
Q2. 「大学に事件のことを知られたくないが、隠し通せるか?」
A. 長期欠席や報道などで大学に発覚するケースが多く、隠し通せる可能性は低いと考えましょう。万が一、後から発覚した場合、大学側の心証を著しく悪化させるリスクがあります。弁護士と相談のうえ、タイミングや内容をコントロールしながら正直に報告したほうが得策な場合が多いです。
Q3. 「大麻くらいなら軽い処分で済むのでは?」
A. 大麻取締法違反は、覚醒剤や麻薬よりは法定刑が低めですが、それでも7年以下の懲役という重い刑罰規定があります。社会的にも厳しい目があるため、軽視してはいけません。大学の懲戒規定も厳しい場合が多く、退学や長期停学になる可能性があります。
Q4. 「息子が容疑を否認しているが、それでも弁護士を依頼すべき?」
A. もちろん弁護士を依頼すべきです。容疑を否認している場合こそ、捜査機関や裁判所に正しい事実を認めてもらうために法律の専門家の助けが必要です。本人が誤った供述をして不利な状況になるリスクもあるので、否認事件こそ弁護士のサポートが重要です。
第9章:総括
ここまで述べてきたように、大麻所持で逮捕された場合、親としてはできるだけ早く弁護士と連携して、捜査対応・大学対応・再発防止策を総合的に進めることが重要です。以下のポイントを改めて強調します。
- 弁護士選びは迅速かつ慎重に
- 刑事事件に強い弁護士を探し、複数相談して比較検討する。
- スピードが重要なので、逮捕後できるだけ早く動く。
- 警察対応は弁護士を通じて
- 家族が警察と直接やりとりするのは限界があり、場合によっては逆効果。
- 取り調べ対応については息子さんが弁護士から具体的指導を得るのがベスト。
- 大学への連絡は慎重に、しかし誠実に
- 大学の懲戒規定や手続きを調べ、弁護士と相談のうえ対応方針を決める。
- 隠蔽や虚偽の報告は後々大きなリスクを伴う。
- 反省と再発防止策の具体化
- 反省文、誓約書、通院・カウンセリング、家族の監督強化など、形ある取り組みを用意しておく。
- これらが捜査機関や大学の判断に良い影響を与える可能性は大いにある。
- 処分結果に一喜一憂せずアフターケア
- 不起訴や執行猶予が付いた後も、大学生活や就職活動で支障が出ることがある。
- 家族が長期的に息子さんをサポートし、再犯予防や社会復帰を確実にしていくことが大切。
大麻に関する違法行為は、たとえ「ちょっとした好奇心」や「周囲の影響」から始まったとしても、一度逮捕されると家族も含めて人生に大きな影響を及ぼします。しかし、適切な法的対応と誠実な反省・再発防止策によって、不起訴や執行猶予など前科を回避・軽減できる可能性は十分にあります。また、大学生活の継続に関しても、大学側の処分を軽減してもらえる可能性を模索することができます。
最後に繰り返しとなりますが、本回答は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的なケースにそのまま適用できるわけではありません。必ず信頼できる弁護士や専門家と連携し、最終的な判断を下していただくようお願いいたします。ご家族で協力し合い、息子さんの将来を守るために最善の行動をとることを願っています。