大麻を共同購入して使用していたが、共同所持で捕まらないか不安という相談
2026年03月03日刑事弁護
※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。
【相談】
Q、私は、東京都に住む女性です。彼氏と一緒に時々大麻を吸っていました。大麻は彼氏が購入に行って、私が半額を負担するという形でした。同居はしていません。先日、彼氏が大麻所持で逮捕されたようですが、私も処罰されないか不安に思っています。大麻施用罪というのが成立することはわかりますが、大麻所持についても私が処罰される可能性があるのでしょうか。大麻はずっと彼が管理していました。
A、大麻の共同所持罪、あるいは譲受罪ということで処罰される可能性はあります。
【解説】
違法薬物の共同所持とされる典型例は、同居している場合ですが、直接に所持していない場合でも、共謀に基づいて誰かが所持しているといった場合には大麻所持罪が成立します。ご相談の場合は、大麻の共同所持罪で処罰される可能性と、譲受罪で処罰される可能性の双方が理論上考えられます。もっとも、実際に立件されるかどうかは、捜査の端緒が生じるかどうかによるでしょう。自首するかどうか、一度弁護士の面談相談を受けられることをお勧めします。将来的に逮捕される可能性もあり得ますので、警察署の近くの弁護士が良いでしょう。
※麻薬及び向精神薬取締法
第六十六条 ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第六十九条第四号若しくは第五号又は第七十条第五号に規定する違反行為をした者を除く。)は、七年以下の拘禁刑に処する。
https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC0000000014#Mp-Ch_7-At_66
※刑法
(共同正犯)
第六十条 二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045#Mp-Pa_1-Ch_11-At_60
【参考文献】
内藤惣一郎ほか編著『覚せい剤犯罪捜査実務ハンドブック』(立花書房,2018年9月)102-103頁
【覚醒剤の共同所持が成立するのはどのような場合か。
〔関係条文〕覚せい剤 41 条の 2
1 共同所持の意義
複数の者が共同して覚醒剤を保管,携帯するなど,覚醒剤所持罪(法41条の 2) においても複数の者が犯行に関与する場合があるが,いわゆる共同所持が成立するのはどのような場合であろうか。
一般に共同所持とは,複数の者が共同して覚醒剤を所持することをいい,互いに覚醒剤を分担して保管,携帯した場合,あるいは覚醒剤の所持を共謀した上,これを保管,携帯等するに至った場合などに成立するものと解されている。】
村上尚文『麻薬・覚せい剤犯罪-解釈と実務』(日世社,1975年11月)207頁
【大麻取締法では、大麻の吸食行為を直接規制の対象としていないので、吸食行為に対する罰則の適用が問題となる場合がある。通常の大麻の吸食行為には、大麻の入手が前提であり、当然に所持を伴うので、第三条にいう所持に当たると解されるが、他人が喫煙している大麻たばこを一、二服吸わせてもらったというようなごく短時間の喫煙行為についても、第三条の所持に当たるとすることは、阿片煙やあへん又はけしがらの吸食を規制する刑法第一三九条第一項、あへん法第九条のような規定が大麻取締法にないところから、若干疑問である。もっとも、数人でマリファナ・パーティーを計画し、そのうちの何人かが大麻を入手してくるとか、準備された大麻を回し飲みするという認識のもとにマリファナ・パーティに参加するとかいうような場合には、大麻共同所持の犯意が認められ、本条にいう「所持」に当たるといえる(男女九人で大麻樹脂を回し飲みした場合につき、共謀による所持を認めたものとして、東京高裁昭和四七・七・ニ― )し、吸食のための大麻を譲り受けた場合には譲受罪が成立する。】


