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薬院法律事務所

刑事弁護

購入時は合法な薬物が、違法になったことを知らずに所持していたという相談(違法薬物、刑事弁護)


2024年10月22日刑事弁護

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私は、30代の会社員です。先日、友人に連れて行ってもらったお店で、「合法」ということでハーブを購入しました。自宅に放置していたのですが、後日警察が自宅にきて、私が購入した後に違法薬物に指定されたと言われました。麻薬の所持ということになるそうですが、なんとかならないでしょうか。

A、一般論としては、「法律の不知は赦さず」ということで所持罪が成立することになります。もっとも、ご相談の状況であれば、「故意」を否定する立論も不可能ではないと思います。違法薬物問題に詳しい弁護士に相談すべきです。

 

【解説】

 

同様の事例につき、私が担当して解決した事例が、弁護士ドットコムの「感謝の声」に掲載されていますので、転載いたします。参考文献にあるとおり、特別な論点となりますので、十分な検討が必要になります。違法薬物問題に詳しい弁護士に相談すべきです。

 

https://www.bengo4.com/fukuoka/a_40130/g_40133/l_137175/

  • 依頼から解決までのケース

    犯罪・刑事事件

    2024年4月に解決

    60代男性

    鐘ケ江先生本当にありがとうございました。
    購入した時には合法なリラックス商品が、自分が知らないうちに規制対象になっていて、警察から取り調べを受け、書類送検になりましたが、最終的には不起訴処分となりました。
    最初の警察との対応の仕方からアドバイスを頂き、自発的に警察に提出して、その後も逐一鐘ヶ江先生に報告しながらアドバイスに従いに動きました。そのため警察の取り調べも緊張して受けることになったのですが、それほど厳しいものではなかったような気がします。取り調べの前後でもずっと気にかけていただき、もし警察の動きがおかしいと感じたらいつでも呼んでくださいとおっしゃっられてとても不安だった気持ちが和らぎました。ひとつひとつのアドバイスが的確で力強くとても頼りになりました。書類送検にはなったものの一貫して違法なものと知って所持していたわけではないと出張して、最終的には1年ほどかかりましたが不起訴処分となりました。これも鐘ケ江先生のおかげです。ありがとうございました。

 

【参考文献】

加藤経将「刑事判例研究〔476〕規制薬物を購入・所持した者が合法的な物質だと思っていた旨の弁解をして故意の認定が問題となった事案において、無罪を言い渡した原判決を、経験則に照らして不合理な前提に立脚した結果、間接事実の評価を誤ったとして破棄した事例(大阪高等裁判所平成27年7月30日判決・研修第813号・69頁〕」警察学論集69巻5号(2016年5月号)163-176頁

175-176頁

【また、本判決が指摘した経験則は、次々に現れる新種の脱法ドラッグに対して後追いで法的規制がなされる状況の下において、ある時点で確認等の方法により法的規制の対象となっていない薬物であると信じた者につき、その後の所持・施用等をした時点での認識が問題となる事例では妥当するであろう。
しかし、このように次々と後追いで追加的な法的規制がなされる状況とまでは認められない場合や、確認等をした時点と公訴事実の内容となる所持・施用等の時点との間の時間的隔たりがほとんどないような場合には、かかる経験則をそのまま適用することが妥当ではないこともあろぅ。また、かかる時間的隔たりがあったとしても、たとえば、公訴事実の内容となる所持・施用等の時点と間近いときに再度確認して法的規制対象外であると確認した場合も、やはり、かかる経験則をそのまま適用することはできない場合もあり褐るであろう。】