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薬院法律事務所

犯罪被害者

学校におけるいじめ事案の警察対応(福岡県の場合)


2021年08月29日犯罪被害者

学校でのいじめについては、「警察に相談したけれど動いてくれなかった。」とか、「警察で調書は取られたけど進展しない」といった相談が弁護士のところに持ち込まれることがあります。どうも、警察も学校内の事件については教育的配慮から介入について慎重な姿勢をとっているようです。また、学校を完全に無視したような対応はとらないようにされているようです。

KOSUZO FUKUOKA 2020年4月号 令和2年度福岡論文直前対策48頁以下に、福岡県警における、学校内でのいじめ事案の取り扱いに関する記載がありました。

おおむね(1)被害少年の生命・身体の安全が現に脅かされているような重大事案(これに発展するおそれが高い事案を含む)については迅速に捜査に着手し、学校に対しても必要な措置を要請して被害の深刻化を防止、

(2)(1)にあたらないが被害少年又はその保護者が犯罪行為として取り扱うことを求めるときは、 その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除き、学校等と緊密に連携して捜査・調査活動を推進、

(3)(1)にあたらず、、被害少年及びその保護者共に警察で犯罪行為として取り扱うことを求めない場合は、一義的には、教育現場における指導により解決されるよう、その対応を尊重する、といったもののようです。その他、被害少年または保護者の同意を得た上での、注意・説諭等の支援についても書かれていました。

そのため、保護者や子供さん本人が、刑事事件として警察に動いてもらいたいという場合には、きちんと被害届を出す必要があるようです。事件が(1)か(2)の部類であれば、ちゃんと対応されると思います。上記文献でも、「いじめは学校の問題」という考えを払拭することが言及されています。

仮にお子様がいじめ被害に遭われた場合には、下記のような相談窓口もあります。弁護士に面談相談することをお勧めします。

 

日本弁護士連合会 子どもの権利(子どもの権利委員会)

https://www.nichibenren.or.jp/activity/human/child_rights.html

平成31年3月29日 いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携について(通知)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1417019.htm