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薬院法律事務所

盗撮

恐喝目的の私人逮捕は合法か


2024年08月11日盗撮

実務 SAに強くなる!!イラスト解説 刑訴法[補訂版]

https://www.tokyo-horei.co.jp/shop/goods/index.php?12727

に引用されていた裁判例がありました。この裁判例からすると、恐喝目的の私人逮捕については、「逮捕罪」が成立するようです。あまり知られていない裁判例ですので紹介いたします。

 

仙台高判昭和26年2月12日高等裁判所刑事判決特報22号6頁

恐喝、同未遂、逮捕監禁被告事件
〔抄録〕
弁護人の控訴趣意第三点について。
現行犯人は何人でも逮捕状なくしてこれを逮捕することができることは刑事訴訟法第二百十三条の規定するところであつて、被害者田中善蔵の米の輸送が食糧管理法に違反して為されたことが窺知されるのであるから、被告人が当時同人を検察官又は司法警察職員に引渡す目的で逮捕したものであつたとすれば、被告人の行為は罪とならないとする主張は容認されるところ、当時の被告人としては、毫も前示田中善蔵を検察官又は司法警察職員に引渡す考はなく、却つて大内文太郎の依頼に基き、同人を逮捕して脅迫し、場合によつては金員を喝取できるかも知れないという気持から逮捕したのであることが記録上認められる本件においては、被告人の判示所為を以て刑事訴訟法第二百十三条にいわゆる現行犯人の逮捕を以て論ずることはできないのである。
(後略)

 

※刑法

(逮捕及び監禁)

第220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の拘禁刑に処する。