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薬院法律事務所

刑事弁護

会社員をしている息子が、スーパーに陳列されているお菓子を食べて捕まったという相談(万引き、刑事弁護)


2024年10月26日刑事弁護

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私は、福岡県福岡市に住む60代の自営業者です。先日、警察から電話があり、30代の会社員の息子が、スーパーマーケットで陳列されているお菓子を食べて捕まったと言われました。息子がそんなことをしたとは信じられないことで、本人に訊いても何でそんなことをしたのかわからないと言っています。お店には謝罪に行ったのですが、今後どうすれば良いでしょうか。息子に前科はつけたくないです。

A、息子さんに、何らかの精神疾患が生じている可能性があります。早急に精密検査を受けるべきです。一見「軽微な犯罪」の背後には、重大な問題が隠れているということは良くあることです。私が万引き事件などに力を入れている理由の一つもそれで、「本来起きるはずのない事件」が起きる時は、背後に重大な問題があります。責任能力が否定されて不起訴になることもありえますので、刑事処分の観点からも精密検査を受けるべきでしょう。

 

【解説】

参考文献の裁判例を元ネタにしています。微罪処分での処理も可能だと考えます。自分自身だけで話し合いで解決するのではなく、万引き事件に詳しい弁護士の面談相談をお勧めします。

 

刑法

https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045

(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

 

【参考文献】

石飛勝幸「実務刑事判例評釈[case258]東京地立川支判平成27.4.25 犯行時,NSC(非けいれん性てんかん重積)による意識障害の状態にあった可能性が高く,行動制御能力を有していたと認
めるには合理的な疑いが残るとして心神喪失を認定した事例>>判例時報2283号142頁」警察公論2016年9月号88-95頁

88頁

【本件は。窃盗事件で起訴された被告人について, NCSE(非けいれん性てんかん重積)による意識障害の状態にあった可能性が高く,行動制御能力を有していたと認めるには合理的な疑いが残るとして心神喪失を認定した事案である。
てんかんとは, 「てんかん発作を主徴とする’|曼性の大脳疾患」であり*1 , 「発作が短い間隔で繰り返し出現し,発作間欠時にも意識障害が持続する状態」をてんかん重積状態と呼ぶ*‐。そのうち, けいれんを伴わないものがNCSEであるが, 本件では, NCSEが認定され心神喪失とされた点に特徴があり,紹介することとした。】

万引き事件弁護要領(在宅事件)