息子が逮捕されて、国選弁護人から連絡が来ないという相談(刑事弁護)
2024年11月30日刑事弁護
※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。
【相談】
Q、私は福岡市に住む50代女性です。先日、東京都内の会社で勤務する息子が、勤務先の倉庫の商品を持ち出したということで逮捕されました。警察から連絡があり、インターネットで調べて当番弁護士という方に面会してもらったのですが、その弁護士さんは多忙ということで、「3日後には国選弁護人が就くのでその人と話をして」と言われました。それから5日間が経つのですが、何も連絡がありません。どうすればいいでしょうか。
A、「国選弁護人が選任されていない」「国選弁護人がまだ面会(接見)をしていない」「国選弁護人が面会したものの、本人が連絡先を覚えておらず連絡できない」といった理由が考えられます。接見だけでもする弁護士はいると思いますので、まずは弁護士に接見にいってもらい状況を把握すべきでしょう。
【解説】
時々ある相談です。通常は、国選弁護人は選任されてすぐ、24時間以内には接見に行きます。とはいえ、様々な事情からすぐに行けないといったことはありえますし、連絡先を本人が覚えておらず連絡ができないということもあります。こういう場合は、とにかく弁護士に接見に行ってもらうことです。そうしないと事情はわからず、解決もできません。
【参考文献】
季刊刑事弁護増刊『刑事弁護ビギナーズVer.2.1』(現代人文社,2019年3月)37頁
【刑事弁護は時間との勝負である。弁護士の到着が数時間遅れたために、その間の違法な取調べによって自白調書が作成されてしまうこともある。また、逮捕段階で弁護人が早急な示談等の初動弁護を行っていれば勾留を防げる可能性もある。
初回接見は「ともかく急げ!」、これが絶対命題である。当番弁護士の配点を受けたり、被疑者国選弁護人に選任された際には、その日のうちに接見に行かなければならない。】
http://www.genjin.jp/book/b427613.html