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薬院法律事務所

犯罪被害者

投資詐欺被害、告訴をしたけれども、警察が動いてくれないという相談(犯罪被害者)


2024年10月05日横領(犯罪被害者)

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私は、福岡市に住む50代の男性です。投資金名目で3000万円を友人に預けたのですが、実はその友人は自分の投資の損失の穴埋めに使っており、お金がないことがわかりました。本人が騙したことを認めたことを録音したデータと、自認書もあります。赦せないので刑事告訴をしたのですが、警察がなかなか動いてくれません。どうすればいいでしょうか。

A、弁護士をつけて進捗について協議してもらうことが考えられます。詐欺で処罰するための証拠の裏付けを探している可能性もありますが、放置されている可能性もあります。

 

【解説】

 

詐欺事件で刑事告訴が受理されたものの、進展がないというパターンがあります。これは、一見進展がないだけで水面下で動いているというパターンもありますが、単純に事件が放置されているという可能性もあります。そういった場合、弁護士をつけて具体的な証拠関係を踏まえて、こういった捜査をすべきだといったことを主張することで進行が早くなる可能性はあります。

 

告訴・告発の受理体制及び指導・管理の強化について

https://www.npa.go.jp/laws/notification/keiji/keiki/009.pdf

 

【参考文献】

 

茂木善樹「CASE14 在宅送付された長期未済の詐欺告訴事件について被疑者を逮捕し犯意を立証して捜査を遂げた事件」大谷晃大監修『実例から学ぶ犯罪捜査のポイント』(立花書房,2011年6月)125-134頁

125頁

【本稿で紹介する事件は被害額合計520万円の詐欺の事案である。同事件の発生は平成11年7月及び8月であったところ.平成12年8月に警察に対し告訴され,平成14年9月に検察庁に在宅送付されていたものであるが.その後長期未済となり,本職が平成16年4月に担当となって,同年5月11日に被疑者を逮捕し(検察官において逮捕状を請求して発付を受け,逮捕状の執行を警察に委託して逮捕したもの),平成16年5月26日に公判請求したものである。公判期間中に示談に向けて被告人と被害者との間で具体的な方向性がまとまったことから平成16年9月に執行猶予付き有罪判決が下され(懲役2年6月.執行猶予5年).同判決は確定した。】

https://www.tokyo-horei.co.jp/shop/goods/index.php?11206

 

藤永幸治編集代表『シリーズ捜査実務全書3 知能犯罪(3訂版)』)東京法令出版,2007年11月)31頁

【強制捜査の時期

被疑者の様々な否認弁解が予想され、捜査事項も多岐にわたる詐欺事犯については、十分な捜査も行わずに被疑者を逮捕しても、 20日余の逮捕・勾留期間では、被疑者の弁解に振り回され、ろくな捜査もできないのがおちである。営業事犯や大規模事犯においては、営業状況や犯行の全容を解明しなければならない。そのためには、証拠物等の捜査・分析が不可欠なのであるから、それを許さない特別な事情がある場合以外は、被疑者の逮捕よりも前に、被疑者宅や会社事務所や関連場所等の捜索・差押え等を先行させ、証拠物を確保して十分な分析を行っておく必要がある。

また、利害関係が錯綜し、犯罪の成立が微妙な事案や、事案が複雑あるいは大規模な事案で種々の弁解が予想される事案については、被疑者の身柄が比較的容易に確保できるような場合には、いきなり被疑者を逮捕せずに、任意で被疑者を取り調べて、その弁解をじっくり聞いて、弁解内容の真実性について可能な限り捜査を尽くしてから強制捜査に移るべきである】

https://www.tokyo-horei.co.jp/shop/goods/index.php?4142

 

弁護士が刑事告訴・告発代理人になる意味について