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薬院法律事務所

犯罪被害者

記事紹介【事例から学ぶ:#027 精神病質の不正実行者を見分ける】(犯罪被害者)


2024年05月14日窃盗(犯罪被害者)

検索している時に見つけた記事です。非常に正確に「サイコパス」を分析していると思います。

こういった知識を義務教育段階で教えるべきだと思っています。

 

事例から学ぶ:#027 精神病質の不正実行者を見分ける

 

【サイコパスは何を求めるのですか。彼らの動機は何でしょうか。

ヘア氏:  彼らは、普通の人が求めるのと同様のものを欲しがりますが、それに加えて、権力や地位、富などに異常なほどの執着心をもっています。その「欲望」の度合い、欲しいものは何でも手に入るという特権意識、そして手に入れるためには手段を選ばないという姿勢が我々と異なるのです。また、自分の欲求や目標を他人と共有しないという点でも大きく異なります。つまり、サイコパスは、他人のためという感覚や、家族や友人の幸福、社会の繁栄、社会のルールや期待などへの配慮、相互依存といった、通常の人間の行動を導く価値観は全く持ち合わせていません。彼らは、独善的に行動し、罪の意識や後悔の念を抱くことなく、他人にどのような犠牲を強いようと常にナンバー1を目指すのです。

サイコパスは感情を抱き、他人の感情に反応するのですか。

ヘア氏:  サイコパスの感情は、多くの人に比べて狭小で皮相的なものです。浅いとか不毛なという表現が用いられることが多く、自分自身の欲求や経験に関連した、どちらかといえば未発達な「原始的感情(proto-emotion)」であるといえます。彼らの怒りや敵意、嫉妬の感情の表し方や欲求不満への反応ぶりは、共感、愛情、恥、悲しみなどの表現よりもはるかに強烈です。時として、サイコパスは冷淡で無常な人間に見えますが、彼らの感情表現は劇的ですが、浅く、長続きしません。彼らは、感情表現をもっともらしく模倣することはできますが、観察力が鋭い人が見れば、表面的でわざとらしく映るでしょう。このことから、興味深い疑問が生じます。サイコパスの感情的な生活が不毛なものなのであれば、彼らはどうやって他人の感情を「読み取り」それに反応することに長けているのでしょうか。それに対する答えは恐らく、他人が示す感情の状態を、言葉や身振り手振りの明確なパターンに置き換えて認識しているのではないかというものです。サイコパスは、この情報をもとに、実際には理解できない感情の状態を直感的に推し量ることができるといえます。これは、色覚異常者が(例えば、信号機の上の色は赤だというように)その色が発せられる状況との関連で「識別する」感覚に似ています。しかしながら、色覚異常者がどんなに辛抱強く訓練しても本当に色を理解することはできないように、サイコパスにとっても、他人の感情は知識として漠然と類推することしかできないのです。簡単に言えば、サイコパスには他人がどのようにして感情を抱くかは理解できず、また気にも留めません。】

 

【どうすれば、サイコパスとの一方的な関係の罠にはまらずに済むでしょうか。
バビアク氏:  この場合、知識は力なりです。サイコパスについてできる限り学ぶことが重要です。彼らの性格特性や行動パターンなどを知り、さらには自分自身についても理解を深め、権力や(公式、非公式に)資源を管理する立場、およびサイコパスにつけ入る隙を与える感情面での弱点など、自分がサイコパスにとって魅力的な何かを備えているかどうかを知るべきです。サイコパスは単独で働くわけではありませんから、彼らと働いたり接点をもったりしたことのある人々から、貴重な情報を得ることができます。 】

【サイコパスと対決するためにはどのようなステップを踏むべきでしょうか。サイコパスを更正させることはできるのですか。

ヘア氏:  他の不正疑惑と同様に、不正の疑いのあるサイコパスと対峙する際には、事前にすべての事実を入手、検証、理解したうえで、企業の方針と適正な手続きに沿って進めなくてはなりません。しかし同時に、サイコパスがどのような反応を示すかを予期することも重要です。想定される反応には、「一見もっともらしい」憤りや否定、非難や責任の分散、「より強い」権限を有する者への訴え、暴言、訴訟を起こすという脅しなどがあります。このような場合には、容疑者に対する申し立てが事実的にも法的にも妥当であり「一歩も引かない」ものであることを確認することが不可欠です。

不正行為の嫌疑を掛けられた者が、事実を認めたうえで、それは魔が差してやってしまったことであり改心すると神妙に誓うという、一風変わった戦術を取ることもある。しかし、サイコパスがそのようなことを言う場合には、健全な懐疑心をもって対処しなくてはなりません。サイコパスは更正することができる、あるいは更正すべきであるという証拠はほとんどありません。彼らの行動は、確立し安定した人格構造を反映したものです。人間は通常、自分自身の行動をもたらす動機に関する一定の見識をもち、よき企業人になるために自分は替わらなくてはならないということを受け入れます。残念ながら、サイコパスは既に自分の動機を認識しており、それが間違っているとも変える必要があるとも思っていません。しかし、「更正」することが自分の身勝手で実利的な目的達成に資すると思えば、サイコパスは「救済された」もしくは「あがなわれた」罪人を演ずる能力には長けています。】