富士﨑真治「警察官のためのデジタル・フォレンジック捜査入門」警察公論2024年2月号
2024年01月21日刑事弁護
私は、警察公論を数年前から愛読しています。刑事弁護人としての執務の参考になる記事が多い雑誌ですが、あまり弁護士は読んでいないようです。しかし、どういう捜査が可能なのか、という知識を弁護人が身につけておくことは大事です。それがあれば、弁護人側からも警察に対して、積極的にシロの証拠が存在すること、捜査すべきことを求めることができますし、公判においても「あるべき証拠が出ていない」と見抜くことができます。
今月号では、富士﨑真治「警察官のためのデジタル・フォレンジック捜査入門」という連載が始まったのですが、これが面白かったです。近時は、デジタル証拠が多数存在する事件が当たり前になり、データ復元技術も日進月歩で進んでいます。今回は、逮捕後に黙秘をしている被疑者について、民間出身の解析官が、デジタル痕跡を見抜いて、その犯人性を明らかにするというストーリーが対話形式で紹介されていました。もはや、「黙秘していれば、証拠不十分で不起訴になる」という時代が終わりつつあることを感じました。