青少年健全育成条例違反、淫行の相手方が積極的だったという弁解は有効か
2021年08月24日刑事弁護
一般論としては、成人がTwitterなどで児童を騙してつけこんで淫行した事例と比較すれば、児童が積極的に出会い系アプリなどで相手を探してきて、淫行に至った事例の方が犯情は良いと思います。
とはいえ、被疑者自身が弁解でそのことを強調するのは逆効果となる危険性があります。以下の記述は児童売春斡旋の事例についての記述ですが、青少年健全育成条例違反にも通じる話だと思います。
吉田誠治『新版補訂2版 記載例中心 事件送致の手引』(東京法令,2010年8月)441頁~
【なお, この種事犯においては,被害児童が自主的かつ積極的に淫行を行ったものであるとの弁解がなされることがあるが, このことは犯罪の成否に影響がない上,裏を返せば精神的に未発達な児童を性の道具として利用する行為にほかならず,被疑者の自己中心的で改俊の情が皆無であることを如実に示す情状として指摘すべきであろう。】
福岡県青少年健全育成条例
https://www.joho.tagawa.fukuoka.jp/kiji0036872/3_6872_15958_up_jvbeg18m.pdf