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薬院法律事務所

刑事弁護

呼気検査拒否をしたら、酒気帯び運転にならずに済まないかという相談(刑事弁護)


2024年01月16日刑事弁護

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、酒気帯び運転をしてしまい、警察のパトカーに囲まれてしまいました。呼気検査を拒否し続ければ飲酒運転として立件できないと思うのですが、どうでしょうか。

A、呼気検査拒否罪で逮捕される可能性が高いです。お勧めしません。

 

【解説】

 

いまだに、飲酒検知を拒否して逮捕される事例があるようです。飲酒運転は、運転者にとっても、周囲の人間にとっても非常に危険な行為ですので絶対にやめましょう。飲酒検知を拒否し続ければ酒気帯び運転での検挙から逃げられると思っている人もいますが、警察はそんなに甘くないです。また、警察に発見されて停車してから「重ね飲み」することで飲酒運転の事実をごまかそうとするやり方についても、警察は対策しています。現行犯逮捕手続については、那須修編共著『プロ直伝!交通捜査のQ&A』(東京法令出版,2021年9月)99-104頁に詳しいです。

 

※道路交通法

(酒気帯び運転等の禁止)
第六十五条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

(危険防止の措置)
第六十七条 警察官は、車両等の運転者が第六十四条第一項、第六十五条第一項、第六十六条、第七十一条の四第四項から第七項まで又は第八十五条第五項から第七項(第二号を除く。)までの規定に違反して車両等を運転していると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、第九十二条第一項の運転免許証又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証の提示を求めることができる。
3 車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。

第百十八条の二 第六十七条(危険防止の措置)第三項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、三月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105

 

【参考文献】

 

道路交通研究会「交通警察の基礎知識(202) 呼気検査拒否罪の捜査要領について」月刊交通2019年8月号(617号)82-89頁

82頁

【全国警察が一丸となって飲酒運転取締りを強力に推進していますが、飲酒運転の検挙から逃れるために呼気検査を拒否する運転者が存在するのも事実です。
これらの悪質運転者に対しては、呼気検査拒否罪の積極的な運用によって罰則を科すことが、国民の負託に応えるためにも必要なことです。そこで、本稿では、呼気検査拒否罪の捜査要領について考えていきたいと思います】