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薬院法律事務所

交通事故(刑事)

加害者が飲酒運転をしていても、過失がないと判断されることがあります(交通事故)


2019年07月25日交通事故(刑事)

事故発生との因果関係が問題になりますので、例えば酒気帯びでも追突事例などでは過失なしとされることがあります。

交通事故必携のこの本、実は序章にも結構大事なことが書いているのですが、あまり皆読んでいないように思います。私も昔は表の部分しか見ていませんでした。

「別冊判例タイムズ38 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版」(2014年7月)44頁

【全訂3版においては,事故と直接因果関係がなくとも, これを著しい過失又は重過失として取り扱う旨の記載があったが,倫理的側面は慰謝料の算定など別の観点から斜酌し得るし, そもそも修正要素として掲げるか否かに当たって,事故との相当因果関係は当然に考慮されており,違法行為のみ別の取扱いをする根拠に乏しいといえよう。事故との相当因果関係を考慮するとしても,例えば,酒気帯び運転や酒酔い運転をしたり,一度も運転免許を取得したことがない者が無免許運転をしたりした場合は,法令の認識の欠如ないし不足や運転技術の未熟さが影響を及ぼすという意味において,事故と相当因果関係があると事実上推定されるであろう。しかしながら,昼間,赤信号に従って停車中に追突された車両の運転者がたまたま酒気を帯びていたとしても,酒気帯びの事実が事故と相当因果関係があるとは考え難い。結局,無免許運転等の違法行為についても,他の修正要素と同様,事故と相当因果関係のある場合に考慮すべきであり,ただ,事故態様によっては,それらの事故との相当因果関係が事実上推定されることが多いと考えるべきである。】

http://www.hanta.co.jp/books/6137/