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薬院法律事務所

違法薬物問題

高校生の息子が大麻所持で逮捕されたけど、弁護士をつける必要性があるかという相談(少年事件)


2024年10月09日違法薬物問題

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私の息子は福岡県の県立高校に通う高校2年生です。ネットで大麻を購入していたそうで、大麻所持罪で逮捕・勾留されました。学校にも知られてしまい、退学処分になりそうです。受験を控えているのにこんなことになってしまい、どうすれば良いのか困っています。示談交渉をするわけでもないのに、弁護士さんをつけても意味はあるのでしょうか。

A、付添人弁護士をつける必要性は高いです。家庭裁判所との処分の交渉、学校との処分の交渉等について弁護士が関与する必要性は高いです。

 

【解説】

 

被害者のいない事案では、弁護士をつける意味はないと考えられている方がいます。確かに、何もしない弁護士であれば、つける必要性はないでしょう。しかし、薬物犯罪のように被害者のいない犯罪であっても、逮捕・勾留された場合は釈放に向けて弁護士が関与する必要性は高いですし、その背景にある問題を解決するためには、現在の大麻問題や、少年事件の実務について詳しい弁護士をつける必要性は高いです。大麻所持については法定刑も引き上げられており、今後はより厳しい処分が予想されます。

 

リーフレット「少年審判について」

https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/210031.pdf

厚生・労働2024年06月19日
大麻草から製造された医薬品の施用等の可能化・大麻等の不正な施用の禁止等に係る抜本改正
~大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律~ 令和5年12月13日公布 法律第84号
法案の解説と国会審議
執筆者:木村歩

https://www.sn-hoki.co.jp/articles/article3567820/

【(2)大麻等の施用等の禁止に関する規定・罰則の整備
① 大麻等を麻薬及び向精神薬取締法上の「麻薬」に位置付けることで、大麻等の不正な施用についても、他の麻薬と同様に、同法の禁止規定及び罰則を適用する。
なお、大麻の不正な所持、譲渡し、譲受け、輸入等については、大麻取締法に規制及び罰則があったが、これらの規定を削除し、他の麻薬と同様に、「麻薬」として麻薬及び向精神薬取締法の規制及び罰則を適用する(これに伴い、法定刑も引上げ)。】

【参考文献】

窓岩亮佑・今井奈津「大麻非行の調査・審判における工夫・留意点」(家庭の法と裁判41号2022年12月号)11-17頁

【福岡家庭裁判所本庁(以ド「当庁」という。)に係属した事業を概観すると.大麻非行に及んだ少年に共通する特徴的な課題として,次の各点を指摘することができる。】