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薬院法律事務所

一般民事

遺産分割事件における代理人の姿勢


2019年10月03日読書メモ

遺産分割調停事件の代理はあまりやったことがないのですが、裁判官からはこんな風に見られているのですね。

多分、依頼者の怒りに寄り添った方がウケが良いのだと思います。まあこれは代理人としては難しいところですが、怒りに寄り添う代理人が必ずしも良いわけではないということは、依頼者の方も覚えておきたい重要ポイントです。

この記述のポイントは「依頼者の正当性を主張する」ではなく、「依頼者以外の相続人を批判する」というところです。

上原裕之ほか『リーガルプログレッシブシリーズ10 遺産分割』(青林書院,2010年7月)23頁

【家庭裁判所は,そのために当事者らに対して援助していくのである。さらには,家庭裁判所以外の人間例えば,遺産分割調停事件に関わっている法律専門家も,相続人らを上手にコーチングし,各人が持っている賢明さを引き出して, 当事者間の協力関係を築いていくべきである。】

【14) 上原・前掲注10) 4頁以下。代理人の中には,依頼者以外の相続人を批判することに懸命で,相続人らが協力するのを妨げている者がいる。家事調停の場が,協力関係の構築の場であることを理解できないのである。】