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薬院法律事務所

刑事弁護

酒気帯び運転、基準値をわずかに越える場合に嫌疑不十分不起訴を狙えるか(ChatGPT4.5作成)


2025年04月26日刑事弁護

ありがとうございます!全国を対象に、特に制限を設けず、過去10年以内で調査を進めます。

これから、酒気帯び運転で呼気検査の数値が0.2mg弱(基準値0.15mgに近接)だった場合に、呼気検査の正確性を争うことで嫌疑不十分・不起訴を狙うことができるかを検証します。あわせて、警察の最新の飲酒検知手法(例:うがいをさせる、2回検査する)や、使用機材の情報、無罪判決の有無も調査します。

完了したらまとめてご報告しますので、少しお待ちください!

酒気帯び運転の呼気検査とその精度をめぐる論点

酒気帯び運転の基準値と「グレーゾーン」の検査精度

日本の道路交通法では、運転者の呼気1リットル中にアルコールが0.15mg以上含まれると「酒気帯び運転」に該当します (よくあるご質問 – アルコール検知器協議会アルコール検知器協議会アルコール検知器協議会)。この基準値ギリギリ(例えば0.18mg前後)の数値の場合、検査機器の誤差や測定条件によっては実際の体内アルコール濃度が基準を下回っていた可能性も考えられます。一般的に、アルコール検知器の測定誤差の許容範囲は±0.03mg/L程度とされています (Microsoft Word – 10【別冊】JB10002-2022)。つまり、0.18mg/Lと測定されても、誤差を考慮すれば実際には0.15mg/L未満だった可能性も否定できません。このような数値上の“グレーゾーン”では、呼気検査の正確性を争うことが検討されます。

もっとも、呼気検査の結果は通常は厳格に信頼される証拠です。検査機器は警察により定期的に校正・管理されており、0.15mgという基準値自体も機器の精度を踏まえて定められています。そのため、単に「数値が僅差だったから疑わしい」という主張だけで直ちに嫌疑不十分による不起訴を勝ち取るのは容易ではありません。不起訴(嫌疑不十分)を狙うのであれば、機器の不調や測定手続の不備、あるいは被検者の体内ではなく口腔内残留アルコールなど測定値に影響を与えた具体的要因を示す必要があります。例えば、検査直前にアルコール含有のうがい薬を使用していた、発酵食品を摂取した直後だった等、測定値が実際の飲酒によるものではない可能性を裏付ける事情があれば、証拠の信用性に疑いを生じさせることができるでしょう。

警察の最新の飲酒検知手法(うがい・複数回検査など)

警察の飲酒検知の手順は年々工夫が重ねられ、誤測定を防ぐ対策が講じられています。まず、道路上の検問ではドライバーに対して予備的な検知を行います。警察官が息のにおいを嗅いだり、簡易アルコール検知器で息を吹きかけてもらったりして酒気帯びの有無を確認します。この時点でアルコール反応があった場合、本格的な呼気検査へ進みます。その際の最新手法として、検査前に水でうがいをさせ、一定時間待機してから再度検査を行うというプロセスが採用されています (アルコール検査 – Wikipedia)。口腔内に残ったアルコール(口中残留アルコール)が検知器に反応しないようにするためで、一般に飲酒後30分以上経過してから検査することや、事前のうがい励行が求められています (大阪府の飲酒運転事件で逮捕 呼気検査に強い弁護士 | 交通事故・交通違反でお困りの方は無料法律相談が対応可能な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ)。警察官はパトカーに紙コップと水を常備し、必ず真水でうがいをさせてから正式な検査に移る運用をしているともいわれます(このような措置により、直前の飲酒やマウスウォッシュ使用による誤検知を防いでいます)。

さらに、警察は2回の検査で結果を確認することも行っています。例えば、検問現場で簡易検知器により基準値超過の反応が出た場合、直ちに現行犯逮捕となりますが、その後警察署等で改めて精密な呼気測定を実施します (酒気帯び運転で逮捕→55分後にまさかの釈放のワケは? 飲酒検知の …)。この再検査までに15〜30分程度の間隔をあけることで、もし口腔内に一時的なアルコール残留があった場合でも消散し、正確な体内アルコール濃度を測定できるようにしています (アルコール検査 – Wikipedia)。実際、ある酒気帯び容疑者が逮捕から約1時間後に釈放されたケースでは、再検査時にはアルコール濃度が基準値未満になったため嫌疑が晴れたと報じられました(逮捕時には基準値ギリギリだったものが時間経過で低下した例)と伝えられています。このように複数回の検査時間差を設けた検査によって、精度の向上と冤罪防止が図られているのです。

なお、近年では検査環境にも配慮がなされています。新型コロナ感染症流行以降は手指消毒用アルコール(エタノール)の影響による誤検知も問題となったため、検査前に手指のアルコール消毒ではなく石鹸と水による手洗いをさせる、検知器と消毒液を離れた場所に置く、といった対応策も提唱されています (アルコール検査 – Wikipedia)。このような手順の徹底により、警察は呼気検査の確実性を高める努力を続けています。

飲酒検知に使用される機器(機種名・性能・誤差範囲など)

現在、警察や事業者が使用するアルコール検知器は主に**電気化学式センサー(燃料電池式センサー)**を搭載した機種です。燃料電池式センサーはアルコールに対して選択性が高く、温度や他の物質の影響を受けにくいため、極めて精度の高い測定が可能です (米国警察使用 アルコール検知器 FC10 11011 | ライフロック)。一方で古いタイプの半導体式センサーは安価ですがアルコール以外のガスにも反応しやすく誤検知の恐れがあるため、飲酒運転の取締り用途には現在ほとんど用いられません。警察が採用する機器は国家公安委員会やアルコール検知器協議会(J-BAC)の定める基準を満たした高性能モデルであり、最大許容誤差は±0.03mg/L程度とされています (Microsoft Word – 10【別冊】JB10002-2022)。これは国際的な基準(OIMLなど)にも準拠した精度です。

代表的な機種としては、日本製では中央自動車工業株式会社の「ソシアック(SOCIAC)シリーズ」や東海電子株式会社の「ALC-Miniシリーズ」などが挙げられます。ソシアックシリーズは警察を含む官公庁や企業に多数導入されており、高感度な日本製センサーによる信頼性の高さで知られています (アルコール検知器 | 製品紹介 | セントラル 中央自動車工業株式会社)。これらの機器は一定回数ごとのセンサー交換や定期校正が推奨されており、常に所定の精度を維持するよう管理されています。実際、道路交通法施行規則にも「アルコール検知器を常時有効に保持すること」(壊れたまま使わないこと)が義務づけられており (アルコール検知器の寿命は?交換時期や法令違反を防ぐ対応策)、警察や事業者は機器のメンテナンスに努めています。

測定方法としては、呼気を直接機器に吹き込むマウスピース式ストロー式が主流です。検査対象者に使い捨てのマウスピースやストローをくわえてもらい、センサーに一定量の呼気を通します。この方式は周囲の空気との混入を防ぎ、正確な測定につながります (アルコール検知器の選び方|おすすめ機種の仕様・精度を徹底比較)。一部に簡易検査としてストロー無しで息を吹きかけるタイプもありますが、正式な検査にはマウスピース式が用いられます。かつては試薬入りの検知管(風船を膨らませて中の試薬の色変化で概測する方法)もありましたが、現在はデジタル表示で数値を記録できる電子式検知器が使用されています (酒気帯び運転で逮捕→55分後にまさかの釈放のワケは? 飲酒検知の …)。

以上のような機器により、0.01mgといった微量のアルコールでも検出可能な精度が実現されています。ただし、機器の性能限界や注意点として、センサーが高濃度のアルコールに晒されると一時的に不安定になったり損傷したりする場合があります (誤検知?不良?アルコール検知器の間違いだらけの使い方 │ お役立ち情報)。そのため連続して検査を行う際は間に数分空ける、飲酒直後の検査は避ける、といった配慮も求められます (誤検知?不良?アルコール検知器の間違いだらけの使い方 │ お役立ち情報)。警察も運用上、検知器が適切にリセットされるよう配慮しつつ検査を実施しています。

呼気検査の正確性を争った裁判例(過去10年以内)

過去10年以内に、呼気検査の結果の正確性を争って無罪となった例として知られるのが、2018年に言い渡されたいわゆる「入れ歯安定剤冤罪」事件です。これは、静岡県の男性医師が2015年に2度にわたり酒気帯び運転で摘発・起訴されたものの、「入れ歯安定剤に含まれるアルコール成分が検査結果に影響した可能性がある」と主張して争ったケースでした (酒気帯びの真犯人は「入れ歯安定剤」、逆転無罪判決に見た冤罪リスク | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン) (酒気帯びの真犯人は「入れ歯安定剤」、逆転無罪判決に見た冤罪リスク | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン)。一審ではいずれも前夜に飲酒していた事実などから有罪認定されましたが、控訴審の東京高等裁判所は再現実験の結果を踏まえ、「口内に残った安定剤が呼気検査に影響を与えた可能性を否定できない」と判断しました (酒気帯びの真犯人は「入れ歯安定剤」、逆転無罪判決に見た冤罪リスク | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン)。その結果、一審判決を破棄して被告人に逆転無罪を言い渡し、この判決は2018年7月に確定しています (酒気帯びの真犯人は「入れ歯安定剤」、逆転無罪判決に見た冤罪リスク | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン) (酒気帯びの真犯人は「入れ歯安定剤」、逆転無罪判決に見た冤罪リスク | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン)。この事例では、実際に入れ歯安定剤を使用した場合に基準値以上のアルコールが検出されることが実証されており、検査数値=飲酒とは断定できないと認められました (酒気帯びの真犯人は「入れ歯安定剤」、逆転無罪判決に見た冤罪リスク | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン)。

他に同様の無罪判決が出た例は近年では極めて珍しく、過去10年で目立つものは上記のケースくらいといわれています。警察の検査手続が適切に行われ、機器も正常に作動している限り、呼気検査結果の信用性を覆すことは難しいのが実情です。実際、昔の判例になりますが1981年の京都簡易裁判所の事件では、警察官が飲酒後30分未満の被疑者にうがいもさせず検査を行った結果、基準値を超える数値が出ました。しかし裁判所は「その数値は被告人の体内アルコール濃度を正確に反映したものとは断定できない」と判断し、他に有力な証拠も無かったため被告人を無罪としています (大阪府の飲酒運転事件で逮捕 呼気検査に強い弁護士 | 交通事故・交通違反でお困りの方は無料法律相談が対応可能な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ) (大阪府の飲酒運転事件で逮捕 呼気検査に強い弁護士 | 交通事故・交通違反でお困りの方は無料法律相談が対応可能な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ)。この教訓から現在では警察も検査手順を厳格化しており、よほど特殊な事情(例えば上述の入れ歯安定剤のように一般的に予見困難な要因)がない限り、呼気検査の正確性が法廷で覆るケースは稀と言えます。

まとめとして、基準値近辺の酒気帯び運転容疑であっても、呼気検査結果に合理的な疑義を示す具体的根拠があれば嫌疑不十分による不起訴や無罪判決を勝ち取れる可能性はあります。しかし、そのハードルは高く、警察側も最新の検知手法で信頼性を担保しているのが現状です。信頼できる公的データや専門知識に基づいて、慎重に検査結果の問題点を指摘していく必要があるでしょう。 (大阪府の飲酒運転事件で逮捕 呼気検査に強い弁護士 | 交通事故・交通違反でお困りの方は無料法律相談が対応可能な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へ)なお、万が一不当な検挙と思われる場合は、速やかに専門の弁護士に相談し対応策を検討することが推奨されます。