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薬院法律事務所

刑事弁護

何故、自首について弁護士に相談すべきなのかという質問(刑事弁護)


2025年08月02日刑事弁護

※相談事例はすべて架空のものです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。

 

【相談】

 

Q、私はある事件について自首しようと思っています。インターネットを調べると弁護士に依頼して自首に同行してもらうということもあるようなのですが、費用がかかることを考えたら自分で警察に電話して出頭した方がいいように思います。弁護士に依頼した方がいいのでしょうか。

 

A、依頼するかはケースバイケースですが、緊急に出頭が必要な案件でなければ、少なくとも弁護士の面談相談を受けるべきです。もっとも、相談した弁護士が、単に「私も警察署についていきます」というだけで、依頼人の事情を聴き取って供述調書を作成したり、身元引受書を作成するなどして逮捕を回避するための作業をしたりといった、弁護士がやるべき具体的な作業をやらない場合には依頼すべきでないです。弁護士選びは大事です。

 

【解説】

自首については、犯罪事実を申告しにいけば良いから特に準備が必要ないといった誤解をしてはいけません。緊急案件を除いて準備が必要です。そもそも、良く聞き取れば犯罪の成立を否定できる場合もあります。余罪について当初から述べずに取り調べで追及されて自白した場合は余罪について自首は成立しませんし、事案によっては緊急逮捕や令状逮捕がされる可能性もあります(特殊詐欺の受け子など)。

警察で何を話すのか、逮捕を避けるためにどういう準備をするか等を整えておくことが大事です。あと、実務的にいえば、弁護士が電話を警察に繋いだあとに、そのまま本人と警察が通話できるようにしておきます。これは、一般に電話では自首は成立しないといわれていますが、すぐ警察署に出向く準備ができている場合などはその時点で自首が成立することもあるからです。

何が言いたいかというと、自首ひとつ取ってもその後の展開を弁護士はあれこれ予想して手を打つということです。それをしない弁護士を選ばないことが大事です。残念ですが、仕事をなるべくしようとしない弁護士もいます。上記のような作業は、刑事弁護をちゃんとしている弁護士にとってはごくごく当たり前のことですが…警察も検察もその都度色々と考えて動いているので、弁護人もその都度色々と考えて動くことが大事です。

一般のお客様にはわかりにくいと思いますが、弁護士のやる作業を具体的に提示しない弁護士は気を付けた方がいいです。

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